私が住んでいる街の駅では、夕方になるとコウモリの大群を見ることが出来ます。
駅の上を囲むようにぐるぐると回ったり、集団で急に方向を変えたり、まるで飛行機の航空ショーのようです。
このコウモリの大群、いったいどこから飛んできたのでしょうか。
コウモリと言えば、昼間は洞窟の中でさかさまに捕まって寝ているイメージがありますよね。
毎日山の中の洞窟からわざわざ駅まで飛んできているのでしょうか。
それとも、もしかして昼間は電車の騒音をものともせずに駅の屋根の裏にでも住んでいるのでしょうか。
コウモリが夕方によく飛んでいるのはなぜ ?
小型のコウモリはほとんどが夜行性です。
昼間は洞穴や木の穴、家屋の天井裏などで休み、夕方に活動をはじめます。
コウモリの主食である虫も夜行性で、蛾や蚊、ゴキブリ、蜘蛛などを食べます。
街中でよくみられるコウモリのほとんどはアブラコウモリという種類のコウモリで、イエコウモリとも呼ばれます。
体長は4㎝から6㎝、体重はなんと5gから10gという軽さで、とても小さいコウモリです。
大人の手のひらくらいの大きさしかありません。
アブラコウモリの餌になる蚊は夕方から夜にかけて活動が活発になるので、それに合わせてコウモリも食事をするために夕方になると活動を始めます。
なんと一晩に400匹から500匹の蚊を一匹のコウモリが食べてしまいます。
アブラコウモリのオスは単独で生活しますが、メスと子どもは血縁関係を中心とした群れで生活します。
群れは数十匹から100匹ほどです。
この群れが夕方になると夜行性の虫を求めて、集団で外へ出ていきます。
まとめ
コウモリは洞窟や森の中だけではなく、人間の住む家にも住み着きます。
なんと学校の校舎などで見つかることもあります。
むしろアブラコウモリに関しては、山や洞窟よりも人工的な建物をねぐらとしている例が多いようです。
駅の上空を旋回しているコウモリは、本当に駅に住んでいるのかもしれません。
1㎝ほどの隙間があれば入り込むことができるので、何か天井から物音が聞こえたら、コウモリが住み着いてしまっていたということもあるでしょう。
コウモリは夕方になると、食事のために住処から集団でやってきて空を飛びまわります。
蚊を食べてくる益獣だと思うと、飛んでいるコウモリを応援したくなります。