コウモリは、全国に約980種類ほど報告されているようです。
この種類数は、哺乳類全体の4分の1近くを占めていて、哺乳類最大グループのネズミグループに次いで大きなグループとなっています。
生息地も、極地や高山などの一部を除く世界中に生息しています。
これだけ多くの種類が存在するコウモリですが、日本にはこのうち35種類ほどが棲息しています。
日本では、コウモリの種類のほうがネズミグループより多くなっています。
日本に生息するコウモリの生態は?
日本で最もポピュラーなコウモリは「アブラコウモリ」です。
夕方の空を飛んでいるのを、見たことがあるのではないでしょうか。
「アブラコウモリ」は、日本に棲息するコウモリの中で唯一、家屋のみを住みかとするコウモリです。
11月ごろから冬眠に入り、暖かい場所に集団で集まって冬越しをします。
3月下旬に冬眠から覚めます。
冬眠期間中でも、暖かい日には飛翔する姿が見られることもあるようです。
また、最近の都市部では暖房器具の換気口など温かいところが多いせいか、冬眠しないコウモリも現れています。
まとめ
日本には「コウモリ」を専門にした研究者が少ないため、日本固有種などについてもまだまだ研究発展途上の状態です。
最近では、琉球列島の島々で新しい固有種が発見されています。
逆に、ポピュラーな「アブラコウモリ」以外のコウモリは、個体数が少なく「レッドデータブック」入りとなっている種類が多いようです。
特に森林性のコウモリは、「樹洞」が作れるような樹齢の高い巨木が少なくなっているため、住みかを整えることができず、減少しているようです。
最近では、木にコウモリ用の巣箱などを作成し、樹洞の代わりを配置する活動も行われていますが、まだ成果はでていないようです。
よく心配される「吸血」タイプのコウモリは、コウモリ種の中でごくわずかで、たいていは植物(主に果実)や虫などの小動物を食べます。
また、この「吸血」タイプのコウモリは、中央アメリカから南アメリカに存在しているため、今現在、日本には棲息していないようです。