人間はよく汗をかく動物ですが、人間以上に汗をかく哺乳類はほとんどいません。
ですが、馬も汗をかく動物になります。
けれど、人間のかき方とは少し違いがあります。
馬の汗の成分って何?
競馬場で、鞍などに白く泡立ったものを見たことのある方もいるでしょう。
それが、馬の汗です。
白い汗は「ラセリン」と呼ばれる物質で、石鹸に似た界面活性剤の成分です。
水と油が混ざる性質があるので、それが被毛全体に広がり、体温を調節しています。
体の上では白く泡立つので、白く見えるのです。
このように体温の上昇を抑えることができるので、長時間の運動にも耐えることができるのです。
馬の汗と人間の汗の成分の違い
人間は体内にこもった熱を、外へ逃がすために汗をかきます。
「エクリン線」という汗腺があり、ここから体温を調節して汗をかいていきます。
体の外に出た汗を蒸発させるときに使う「気化熱」を利用して、体温を下げているのです。
馬は、運動や緊張、興奮すると汗をかき、「アポクリン線」という汗腺から汗をかきます。
この時も気化熱を利用して、体温を下げています。
しかし、運動時の体温の上昇を調節する機能には優れていますが、運動以外での汗はコントロールできないので、夏場は非常に暑さに弱い動物です。
そして、馬にある「アポクリン線」は体中に広がっています。
この線は通常、フェロモンを出す器官なのですが、馬にとっては汗も出す器官です。
馬の汗の成分って臭う?
人間には「エクリン線」と「アポクリン線」があり、「エクリン線」は水分が多く、さらさらしていてあまり臭いません。
反対に、「アポクリン線」は皮脂やたんぱく質を多く含み、興奮したり冷や汗をかいたりした汗が、皮膚にある雑菌などと繁殖して臭いをともないます。
これが「わきが」の原因です。
でも、馬は常に汗をかいているわけではないので、常在菌がいないのであまり臭いません。
運動や興奮状態以外の皮膚は乾いているので、雑菌は繁殖しないのです。
まとめ
汗をかく動物が少ないことは知っていましたが、まさか馬も汗をかき、白く見えるとは思ってもみませんでした。
犬も汗をかきますが、肉球から微量なのと、舌を出して呼吸をする「パンティング」によって体温を下げています。
機会があったら、馬の皮膚に触り、「馬の匂い」を嗅いでみたいです。