動物園で人気者の象は、ディズニーのダンボに代表されるように、大きな耳をイメージされる方が多いでしょう。
また、象をイメージすると、長い耳をパタパタさせたり、長い鼻で水浴びをしていることを想像する方が多いと思います。
さて、ここでは、その象の耳はどんな役割をしているのか、少しお話しします。
象が耳をパタパタさせる理由は?
象の耳は大きいイメージですが、厳密にいうと耳が大きいのはアフリカゾウです。
アジア象はそれほど大きな耳ではなく、丸い形をしています。
また、アフリカ象の一種でアフリカの森林地域に生息するマルミミゾウは、アフリカゾウが四角い耳をしているのに対して、名前の通り丸い耳を持っています。
これは、マルミミゾウが森林に住むため、耳が樹木に引っかかってしまうのを防ぐために進化したと言われています。
さて、象がなぜ耳をパタパタさせるのか、その理由は、ズバリ、暑さを緩和させるためです。
象の耳にはたくさんの血管があり、それをパタパタ動かすことで血管の熱を下げ、冷やすことで体温を下げているのです。
暑いサバンナの中では、水がない場所もあり、自分で身を守る術を持つことで、過酷な環境に順応していったのです。
また、そのほかに、犬のように喜びや興奮の表現として、耳をパタパタさせることもあると言われています。
象は人間より低い可聴音域を持っています。
人間の可聴音域は20ヘルツから20000ヘルツ、象は14から24ヘルツ。
音の大きさは85から90デシベルの声を出します。
一般的に象の声とされる音は威嚇や興奮の声で、本来は人間には聞こえない音で、挨拶を交わすことはもちろん、水や、天敵などの情報を遠くの仲間とも会話をしていると考えられています。
まとめ
象の耳は、たくさんの血管が通っており、それをパタパタさせることで、全身の体温を下げるラジエーターの役割を持っています。
象の大きな体で過酷な環境を生き抜くために、必要な行動なのです。