動物園の人気者ライオンは、いつ見ても寝そべっていて、動いているところを見たことがないと言う人も多いのではないでしょうか。
アフリカのサバンナで育ったライオンには、日本の気候は厳しいのかもしれませんが、赤ちゃんライオンを楽しみにするわたし達は、1頭でも多くの赤ちゃんライオンを見たいものですよね?
動物園では、どのような繁殖方法を用いて、ライオンの繁殖行動を促しているのでしょうか。
動物園で飼育されているライオンの繁殖方法について
ライオンは、繁殖能力が高く、自然界では定期的に繁殖行動が行われており、個体数が激減することもありません。
ですが、それは、あくまでも自然界の出来事であり、動物園の飼育下にあるライオンの出来事ではありません。
実は、動物園育ちのライオンは発情時期がきても、交配を行わないライオンも少なくありません。
なぜでしょう。
自然界で暮らす野生のライオンは、子孫を残すための努力を惜しみませんが、人の手で飼育されているライオンには、野生のライオンが本来もっているであろう闘争心がありません。
いや、なくなったというべきでしょうか。
このような自然繁殖が行えない場合は、人工的な繁殖を計画しなければなりません。
自然繁殖を気長に待つ動物園もありますが、個体数が減っている動物園では、人工的な繁殖を急がなければなりません。
あくまでも、わたし達人間の勝手な都合による繁殖になりますが、動物園では、致し方ないことなのかもしれません。
ちなみに、国内において、ライオン等のネコ科動物の人工接合が成功した例は、多摩動物公園でのライオンの人工接合のみとなります。
こちらの動物園が行った交配行為は、まず、体液が出る精管を縛ったオスを同居させてオスを刺激。
続いて、メスに対して交配による刺激を行いました。
この2つの行為で、人工接合に成功しております。
まとめ
ライオンが交配行為を行うのは、メスに限りません。
実は、オス同士でも交配行為を行うことが判明しております。
動物の世界では、同性愛は珍しいことではありません。
オスロ大学の動物学者のピーター・ボックマン氏によりますと、動物の性的能力は子孫を残すだけのために行うのではなく、群れをスムーズに機能させる役割をもつための行動であると考えられるとのことです。