イソギンチャクの形を想像すると、たいていの人は、何やらたくさんの管?足?の様なものをゆらゆらさせている姿を思い浮かべるのではないでしょうか。
その中で守られるようにカクレクマノミが生活している。
そんな可愛らしい姿を、映像や写真などで見かけるでしょう。
植物?とさえ思ってしまいますが、イソギンチャクの生態に重要な体の一部であり、イソギンチャク自身の身を守っているのです。
イソギンチャクの触手とは?
イソギンチャクは、実は歩く事が出来るのですが、基本的には岩の上にくっついて生活しています。
丸い円形の体に、その真ん中にあるのが口です。
そしてその口の周りに、たくさんの細い管のようなものを持っています。
これが触手です。
触手には毒を出す刺胞があり、それで獲物をしびれさせるのです。
なぜカクレクマノミが、このような毒を持ったイソギンチャクの中に入れるのかというと、カクレクマノミにはイソギンチャクの毒に強い耐性があるからで、他の魚がイソギンチャクに近づくと、その触手によって捕食されてしまいますので、カクレクマノミにとっては絶好の隠れ家や住処になるわけです。
イソギンチャクの触手の数は種類と関係する?
イソギンチャクは、クラゲと同じく刺胞動物の一種です。
刺胞動物の中でも細かく分類すると、花中網と呼ばれる部類に入り、その中でもさらに2つのグループにわけられています。
それは、八放サンゴ亜網と六放サンゴ花網という分類になります。
イソギンチャクは、この中の六放サンゴの仲間に属し、隔膜が基本的には6の倍数になるという特徴があるようです。
隔膜とは、イソギンチャクの体の中を仕切る膜の事です。
この事から、イソギンチャクの触手は、数が決まっているというよりも、触手の数は6の倍数になると考えられており、成長につれてそのその特徴に基づいた触手を持つという事になります。
種類には関係せず、イソギンチャク全般に言える事です。
まとめ
イソギンチャクの体は、見た目はシンプルですが、実際の体の作りは非常に複雑で、生きるための器官がしっかりと形成されています。
その中でも触手は、イソギンチャクの一番目立つ部分であり、生きていく上で非常に大事な役割を持っています。
海の中でゆらゆら揺れる触手の持つ毒や、その数の決まった法則など、イソギンチャクという生き物の奥の深さに改めて驚かされます。