象は陸上最大の哺乳類として、愛され、時には畏怖されてきました。
象は大変記憶力が良く、高い知能を持っています。
例えば20年も前に会った人や仲間のこと、水場や出来事をしっかり覚えていると言います。
体が大きい生きものは脳が大きいので頭が良いという話がありますが、本当なのでしょうか?
象のその脳の大きさはどうなのでしょうか?
象の脳の大きさは?
象の脳の大きさは、人間の脳の3.5倍ほどになります。
体が大きい分、脳も大きくなります。
しかし、生物の知能は脳の大きい小さいで判断できない複雑さがあります。
たとえば、カラスは頭が良い生きものといわれていますが、カラスの脳の重さは10グラムほどです。
体重は400から700グラム。
体の大きさと知能は比例しないのです。
象の脳の重さは?
アフリカゾウの脳の重さは、4200から4700グラムほどです。
体重は品種や雄雌の差はありますが、3トンから7トン。
ちなみに、人間の脳の重さは、女性が1200グラム男性が1300グラムほど。
平均体重は52から63キロです。
脳化指数という、体重に対して脳の重さと知性を表す数式があります。
定数×脳の重量÷体重×2/3
この値によると、象は1.3、人は7.5、イルカは5.3、チンパンジーは2.4、クジラは1.8、カラスは1.25、犬は1.4、猫は1、マウスは0.5、数字だけを見れば人間がずば抜けてはいます。
しかし、体重と脳の重さだけで知性を判断することはできません。
この脳化指数もまた、身体が大きい生きものほど誤差が生じています。
知性が何をもって計算できるかは、現代においても未だ研究途上といいます。
例えば脳のシワや溝の深さ、厚み神経の長さなどを題材に解析できるのではないかと研究されていますが、それだけで知性を測ることはできないのが現状です。
しかし、象は仲間のことや自分たちに害を及ぼす人間の声、言葉を覚え、危険を回避することができると言われています。
まとめ
象はかしこい生きものです。
その脳は、身体が大きい分人間より3.5倍大きいですが、脳が大きい分知能が高いのかというと、そうではありませんが、厳しい環境を生き抜くために記憶力が発達しているといわれています。
4キロ先の仲間と人間には聞こえない声で話し、自分たちの象牙を狙うハンターが発する言葉を理解して、危険を察知することもできると言われています。