うさぎは小さな生き物です。
そのため頭蓋骨は人間に比べてはるかに小さく、その中に収まっている脳のサイズも小型です。
だからうさぎの知能は低いのだ、と安易に思い込んでしまうのは禁物です。
ペットのうさぎの行動をよく観察してみると、そのかしこい様子にびっくりするかもしれません。
うさぎの脳の大きさと頭の良さは無関係
うさぎの脳は決して大きくありません。
しかしうさぎはうさぎなりの感情を持っているし、うさぎとしての生を生きるために必要な知恵に満ちています。
うさぎは人間の言うことをしっかりと聞き分けているし、人間の行動をよく観察しています。
ペットのうさぎには、誰が自分のボスでかという上下関係をはっきりと自覚させないと、飼い主が逆にナメられて、始終噛みつかれたりする羽目になったりします。
知能の高さは脳の大きさではなく、脳の神経細胞をつなぐ回路がどれぐらい精密か、ということに関係するといわれています。
もしかすると、うさぎの小さな頭の中は、人間の想像を絶する精密な神経回路が詰まっているのかもしれません。
うさぎの脳の重さと知性の関係
一般に、動物の脳の重さは体重の重さと比例しています。
たとえば人間の場合、平均で約1400gといわれています。
ちなみに人間よりはるかに体重の重い象の場合、脳の重さは約5000gです。
これに対して人間よりはるかに小さな生き物であるうさぎの場合、脳の重さは約10gです。
品種改良程度ではこの値はあまり変化しません。
そのため普通のうさぎをさらに小型化した品種であっても、大切な器官である脳や目玉などは小さくなりません。
そのため小型化されたうさぎは頭でっかちであごが短くなる傾向があります。
動物の知性の目安として、能化指数(EQ: Encephalization Quotient)というものがあります。
脳の重さと体重から計算される数値です。
おおよそ体重の-(2/3)乗に比例します。
脳化指数を計算してみると、人間は平均で7.5程度ですが、うさぎの場合は0.4です。
まとめ
もし野生のうさぎが生存している環境に、人間がなんの道具も持たないまま放り込まれるとどうなるでしょう?
人間は自然の力の前にはあまりにも無力で、うさぎの生存のための知恵をうらやましく思うでしょう。
だからあなたのペットのうさぎの知性を甘くみるのは禁物です。