人に危害を与える訳でもなく、他の種類の昆虫を捕食することもないカナブン。
木にとまり樹液を餌として生活している彼らの天敵とは一体どのようなものでしょうか。
低地から山地にかけた自然のなかで暮らすカナブンですから、肉食性が強い昆虫の捕食対象になることはイメージできますが、どうもそれだけではないようです。
昆虫だけではないカナブンの天敵
カナブンの成虫は、市街地を含む平地に比較的多く、また高さの低い山地にも生息しています。
そのため、カナブンの天敵として挙げられるのは、カマキリなどの肉食性の昆虫や雑食性のカラスなどの鳥類が挙げられます。
また、天敵というレベルほどではありませんが、犬や猫もカナブンを食べることで知られています。
それでは、土のなかで生活しているカナブンの幼虫はどうでしょうか。
土で姿が隠れているといっても安全ではありません。
アリやムカデ、ゴミムシ類、モグラなどがこの環境で暮らすカナブンの幼虫の天敵です。
また、カナブンの成虫の天敵で触れたカラスも幼虫の天敵に加えることができるでしょう。
昆虫や動物のように目に見える天敵以外にもカナブンの幼虫に影響を与えるのが、土壌中に存在する乳化病菌です。
乳化病菌は、カナブンを含むコガネムシ科の幼虫に寄生し、乳化病またはミルク病を発症させます。
カナブンの幼虫は、人に害を与えるどころか腐葉土を分化し土壌の改善を促す存在ですが、人はカナブンの幼虫にとって天敵の一つといえるでしょう。
なぜならば、基本的に無害のカナブンを植物に害を与える昆虫として駆除してしまう場合があるためです。
カナブンと同じコガネムシ科に属するマメコガネは、成虫のときには植物の葉や花を食べ、農作物にも被害を与えます。
また、幼虫のときでは植物や農作物の根を食べるため、害虫として知られています。
このマメコガネとカナブンの区別がつかず、殺虫剤などの薬品を用いて駆除するケースが多々あります。
このため、人もカナブンの天敵の一つといえることができるのです。
まとめ
ここまで、カナブンの天敵についてみてきました。
カラスやカマキリ、アリや細菌などさまさまざまな天敵がカナブンにいることをお伝えしました。
犬や猫がカナブンを食べることは習性的にやむを得ないことでしょう。
しかしながら、人は関心を持つことでカナブンの天敵にはならずに済むことを心得るべきでしょう。