どれだけの人が知っているでしょうか?
烏賊って書けない、読めない、どちらにも該当してしまう漢字だと思います。
どちらかといえば難しいですよね。
さて、日頃、不思議に思っていたことがわかったときは嬉しいものです。
漢字で書いた烏賊を読めなくて、これがなんでイカなのだろう?
と思ってそのときには覚えたつもりだったのに、次に見た時にまた、なんと読むのか忘れてしまった、ということって少なからず誰しもありますよね。
それだけ難しい漢字の一つです。
納得しないと覚えることは出来ない。
そんな風に思えてしまいます。
それではなぜこの漢字になったのか考えてみましょう。
イカを烏賊と書くことで烏と賊となるのはなぜか?
なぜカラス(烏)のぞく(賊)と書くのか?
答えは中国の言い伝えにあるそうです。
イカは水面に、ゆらゆら浮かんで死んでいるように見せかけて、それをついばみに来たカラスに腕を伸ばして巻き付き、カラスを捕食しようとする。
そんなイカの事をカラスの立場から「賊」のようなもの、という事で烏賊という漢字が充てられたのではないかと言います。
そんな理由を聞くと、イカって恐ろしいですよね。
でも、イカがカラスを食べるなんて信じられないような話ですね。
他にも、カラスに襲われたイカが、カラスの羽の色と同じ真っ黒な墨を吐いて撃退して、難を逃れたという説もあるそうです。
タコの墨は水中で拡散して煙幕のように広がりますが、イカの墨は粘性が高く、料理にも使われるほどにうま味成分があって、水中でも追って来た魚がイカ墨のうま味に気を取られている隙に、逃げることもあるそうです。
そして、イカにはトンビと呼ばれる鋭い口があります。
イカの口の中の物をかみ砕く器官で、黒褐色をしています。
つまり顎に相当します。
獲物を捕らえる時は長い2本の触腕で捕らえ、残り8本の腕で抱え込み、鋭い口でかじるのです。
このイカの口を干したものは、カラストンビというお酒に合う珍味だというのですが、ここでも、カラスにちなんだ名前が使われています。
カラスを襲うから「賊」。
烏のような黒褐色のトンビと呼ばれる鋭い口が、凶暴だということを連想させるのでしょうね。
まとめ
漢字一文字において、このように深く意味があるものなのだなぁと思いました。
余談ですが、風土記、日本書記の頃からイカは烏賊と書かれていたそうです。
それと同じように人間も神秘に溢れています。
私たちの知らないことがまだまだたくさんあるはずです。