昆虫は長い幼虫期間の後に成虫になると、次世代を残すための生殖行動に毎日を費やします。
もちろんカナブンも例外ではありません。
カブトムシやクワガタといった人気の高い虫と違って、あまり知られていないカナブンの産卵時期や産卵方法についてご紹介したいと思います。
これを機会に人気昆虫のカブトムシ、クワガタだけでなく、カナブンにも興味を持っていただければと思います。
カナブンの産卵時期と卵の成長は?
カナブンは5月下旬~9月下旬まで活動していますが、最も活発に活動するのは6月~8月頃です。
繁殖行為もこの頃に集中しており、8月には多くの個体が産卵に入ります。
カナブンの求愛行動は、オスがメスの体を抱えたりさすったりして迫ります。
上手く求愛に成功すれば、晴れて繁殖をすることとなります。
オスはメスを誘って繁殖を繰り返しますが、メスは繁殖が完了すると卵を産むことに集中します。
卵を産むために穴を掘るカブトムシやクワガタと違い、カナブンは腐葉土や朽ち木などの中にそのままばらまくように産卵します。
カナブンは産卵数が非常に多く、産まれてすぐの卵は1.5mm程度の大きさで丸型をしています。
一匹のメスが100個以上の卵を産むこともありますが、卵はアリに、幼虫はモグラやネズミなどに捕食されてしまうので、自然界で成虫になることができるのは産卵数に比べてぐっと少なくなります。
飼育下では、もう少し羽化率があがるようですが。
卵は約10~20日で孵化し、地中で1年~2年ほど過ごして脱皮を繰り返し3令幼虫となって、冬を越えた6月頃に蛹室を作ってサナギになり、約10日で羽化します。
長い期間を土の中で過ごしますが、成虫の平均寿命はたったの1ヵ月~2ヵ月ほどで、成虫の状態で越冬できるクワガタと比べると短命な昆虫です。
まとめ
カナブンは昆虫採集では、カブトムシやクワガタと比べると人気の無い昆虫ですが、その生態はカブトムシやクワガタと違い、詳しい書籍が少なく、インターネットでもなかなか情報が少ない昆虫です。
昆虫採集のオマケ的存在のカナブンですが、飼い方自体はカブトムシと同じなので、自分で飼育してその生態を生で観察してみるというのもいいかもしれません。