クヌギやコナラなど、カブトムシやクワガタを捕まえるために行った場所で必ずと行って言ってよいほど会える昆虫、カナブン。
カブトムシやクワガタほど人気ではない昆虫ですが、緑や茶色に輝く体色の美しさは他の甲虫とは比べ物にならないのではないでしょうか?
カブトムシや、クワガタの成長の様子を観察したことがあるかたは多いかもしれませんが、案外カナブンの成長って知らなかったりしませんか?
あまり知られていないカナブンの成長について、ご紹介していきたいと思います。
カナブンってどんな風に成長するの?
腐葉土や朽ち木の上に産卵されたカナブンの卵は、約10~20日で孵化します。
初齢幼虫はとても小さく、10mmほどの大きさしかありません。
カナブンの幼虫の特徴は、なによりも背面歩行をするところです。
足がたくさんあるように見えますが、その足のようなものは使わず、背中を芋虫のようにくねらせて歩行します。
そんな幼虫も2~3ヶ月をかけて脱皮を繰り返し、3齢幼虫となる頃には体長40mmほどの大きさに成長します。
カナブンはその状態で冬を越えます。
カナブンが羽化する時期は?
カナブンはサナギの時期を経て、成虫になる完全変態の昆虫です。
冬を越えたカナブンの幼虫は、翌6月ごろに蛹室をつくり、サナギになります。
カナブンの蛹室は、カブトムシやクワガタに比べて変わっており、土繭と呼ばれる3~4cmほどの、まるで蚕の繭のような形の部屋を作り、その中でサナギの期間を過ごします。
カナブンは、サナギになってから10日ほどで羽化します。
土繭を割って羽化してくるカナブンの姿は、とても見ごたえのあるものです。
飼育下では、カナブンの土繭を手で割って羽化を手伝ったりすることもありますが、どちらかというと自然に出てくるまで待つほうがいいようです。
カナブンの主な羽化の時期は、6月半ばといったところでしょうか。
まとめ
以上のように、カナブンはカブトムシやクワガタとはまた違った生態が観察できます。
土繭を割って出てくる瞬間などは、飼育下でしかなかなか観察できません。
普段は昆虫採集のオマケ的存在のカナブンですが、今年はこのいぶし銀の虫を観察してみるのも面白いのでは無いでしょうか?