動物の腸の長さはそれぞれで、もちろん人間とは違う長さであることが容易に想像できると思います。
その中でも、馬の腸は長いと聞いたことがあります。
では実際に馬の腸の長さはどのくらいなのでしょうか?
人間はもちろん、様々な動物と比べながらみてみたいと思います。
馬の腸の長さと特徴
動物によって腸の長さが違うのは、その体長の違いもあります。
ウサギと馬とクジラが同じ腸の長さとは考えにくいです。
よって、腸がどのくらい長いのかをほかの動物と比較するためには、その動物の体長の何倍の長さであるかで考えます。
腸の長さを体長で割るとその値が求められます。
私たち人間は食文化などによって腸の長さに差があるようですが、それでも一般的には7mから9mといわれています。
体長を1.5mとして考えると、人間の腸は体長のおよそ5倍であることがわかります。
馬の腸は30mもあるそうで、その体長の12倍といわれています。
この時点で人間よりとても長いことがわかります。
他にライオンや狼の腸は体長の4倍、馬よりも長い牛の腸は体長の25倍もあります。
動物によって腸の長さに差があるのは、それぞれの食生活が違うからです。
肉食動物は腸が短く、草食動物は長いといわれています。
人間は雑食なので、その中間といえるでしょう。
馬は草食動物なので、腸がとても長いのです。
また、牛とは違い胃が1つの後腸発酵動物であり、盲腸がとても長く結腸も発達しています。
牛が繊維類の分解を胃で行うのに比べ、馬はその発達した盲腸や結腸の中の微生物やバクテリアの力を借りて分解します。
馬の腸の構造は小腸が約22mといわれており、そのうち十二指腸が1m、空腸が20m、回腸が1mです。
大腸は盲腸が1m、結腸が8mから9m、直腸が50cmです。
空腸がとても長く、小腸の異常の多くはこの空腸に見られるそうです。
馬はその腸の長さゆえに疝痛という疾病を起こしやすいともいわれています。
粗食に耐えうる馬もいますが、それでも適切な飼料の管理や飼育が求められるでしょう。
まとめ
草食動物かつ後腸発酵動物である馬の腸は全長30mでその体長の約12倍と、とても長いことがわかりました。
それは肉食動物や人間よりはるかに長く、また長いために疝痛という疾病を起こしやすいという難点もあるようです。
馬はそのほとんどが家畜なので、適切な飼育管理が求められるデリケートな腸の持ち主であるといえるでしょう。