狂犬病は、イヌやネコに噛みつかれたときに発症する病気として知られていますが、コウモリからも狂犬病のウイルスは感染します。
日頃はおとなしいコウモリは、夜行性なので昼間は薄暗い軒下などで眠っています。
そして夕方になるとエサを求めて飛び立ち、都会でも空を飛ぶ姿を見ることができます。
狂犬病が怖い病気だという事は多くの人が知っていますが、具体的にどのような症状になるのかご存知でしょうか?
そしてもし罹ってしまった時の予後はどうなるのでしょう?
コウモリから狂犬病のウイルスがうつった場合の経過について説明します。
コウモリから狂犬病がうつった時の症状ってどうなるの?
狂犬病はイヌ、ネコやコウモリなど、動物との接触で人の身体にウイルスが入り込んで発症する病気です。
動物に引っ掻かれた時や噛まれたときに、その傷口からウイルスが入り込んで感染します。
そしてかなり稀に、噛まれなくても気道粘膜からウイルス感染する例もあると言われています。
1957年以降、日本国内で狂犬病が発症したと言う報告はありません。
ではコウモリに噛まれたときの、狂犬病の発症時期や症状について順を追って説明します。
コウモリが自宅に住み着いている事に気づき、駆除しようと素手で追い払おうとしてコウモリに噛まれたとします。
その時の応急処置で傷は大きな怪我にならず、2週間程度で完治します。
しかし狂犬病のウイルスに感染してから発症までの潜伏期間は、噛まれた傷の深さや部位によってことなりますがおよそ1~3か月です。
最初は発熱、頭痛、筋肉痛、空咳などの感冒とよく似た症状で始まります。
しかし徐々に、コウモリに噛まれた部位に痛みが発生してどんどん強くなると、その周囲の知覚異常や筋肉の痙攣が始まります。
そして興奮、錯乱、幻覚のような脳炎症状も強く現れ、最終的には昏睡状態から呼吸が止まります。
狂犬病は、発症すると必ず病気が進行する病気です。
まとめ
狂犬病は、発症すると治らない恐ろしい病気です。
しかもコウモリなどに噛まれて、ウイルス感染してから発症までに長い時間がかかるので、急にこのような状況に陥った本当の原因が、噛まれた事なのかどうか全て正確に把握することは困難です。
狂犬病は発症すると大変な事になりますが、イヌ、ネコやコウモリに噛まれると必ず発症するのではありません。
噛まれたらすぐに傷口を洗い、医療機関で狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンの投与を受けると、病気を防ぐ事ができます。