長い鼻が特徴の象。
その鼻の長さは、2mほどまで成長します。
象の鼻は10万以上の筋肉で出来ており、小さなアーモンドや豆腐などの柔らかいもの、重いものでは1tのものを掴むことが出来ます。
象の鼻に生えている毛は神経と繋がっており、人間の手先の10倍以上敏感であるといわれています。
そんな優秀な象の鼻ですが、匂いを嗅ぐ方の能力はどうなのでしょうか?
象の鼻の嗅覚はどれくらい?
犬の嗅覚は、すごいということは一般的によく知られていますが、実は象の嗅覚はその犬よりもすごいということが研究で分かっています。
生物は空気中の匂いの分子が、鼻の中の皮膚にある嗅覚受容体に結合することで、匂いというものを感じることが出来ます。
つまりこの嗅覚受容体の遺伝子の数が多ければ多いほど、嗅覚が優れているということが言えます。
ある研究チームの研究結果では、アフリカ象の嗅覚受容体の遺伝子数は、2000個以上であることが分かっており、犬の嗅覚受容体の遺伝子数が800個であることから見ると、象の嗅覚は犬の嗅覚の二倍以上であることが分かります。
ちなみに人の嗅覚受容体の遺伝子数は、400個であり象の嗅覚の凄さがわかると思います。
象はこの嗅覚を使って、敵になる動物や餌のある場所の匂いを感知することが出来、数キロ離れた水の匂いも嗅ぎ取ることが出来るといわれています。
アフリカ象では、マサイとカンバというケニアに住む二つの部族を、匂いで区別出来るという報告があります。
マサイ族は槍を使って、アフリカ象の狩りを行う部族でアフリカ象の敵になります。
一方、カンバ族は農耕民族でアフリカ象の敵ではありません。
アフリカ象は、この二つの民族の匂いを嗅ぎ分けて、敵であるマサイ族を避けようとするそうです。
様々な研究で、象の嗅覚が非常に優れていることが分かっており、アジア象を用いた実験によれば、人などの霊長類が嗅ぎ分けることが出来ない、匂いの違いを嗅ぎ分けることが出来るとも言われています。
まとめ
このように、象の長い鼻は触覚としての機能だけでなく、嗅覚といった面でも非常に優れており、過酷な野生での生活を生き抜くうえで、無くてはならないものとなっております。