鹿による農作物の被害がどのくらいあるのか、みなさんはご存知でしょうか?
農林水産省の資料によれば、平成27年度の鹿による被害額は60億円もあるのだそうです。
私たちの知らない間に、鹿が60億円もかじって食べてしまっているなんて…。
被害額を聞くとかなり衝撃ですが、もっと打撃を受けているのは農家のみなさんです。
奈良公園で見るような可愛らしいイメージから一変して、農作物を荒らす厄介者として農家さんを困らせています。
なぜ、鹿による農作物の被害がこんなに大きいのでしょうか。
原因についても併せてご紹介したいと思います。
鹿に農作物を食べられてしまう被害多発!その原因は?
日常で鹿と出くわすことはかなり少ないですが、畑や森林など緑が多い場所が近いと、野生動物が餌を求めに来ることも珍しいことではありません。
被害が増えている原因として考えられるのが、生活ゾーンの拡大や個体数の増加です。
温暖化により気温が徐々に高くなると、寒い季節が短くなります。
すると冬を越えるのも楽ですし、活動できる時期も増えることで繁殖の率も上がります。
よって個体数の増加につながり、餌の場所を確保するために行動範囲が広がってきているのです。
これまで人間を警戒して、離れたところで生活してきた鹿もやむを得ず移動してきているのが現状のようです。
そしてもう一つ、原因として挙げられるのが猟師の減少です。
猟師さんの高齢化で数が減ってきており、猟師志望の若者もなかなか現れないので、この増えてきている鹿などの野生動物を狩る人が少ない現状も問題になっています。
そこで近年広がりつつある対策が「ジビエ」です。
聞いたことある方も多いかもしれません。
ジビエは野生動物を捕獲して、食肉として調理することを言います。
政府も鹿による食害を問題視しており、その対策としてジビエを普及させていこうとしているんです。
この動きによって、今後の鹿による被害は減少するのではないかと期待されています。
まとめ
農作物の鹿による被害はかなり問題視されており、被害額も多く深刻な状態になっています。
原因と考えられている、鹿の生活ゾーンの拡大・個体数の増加・猟師の減少を踏まえて、今ではジビエの普及が始まるなど政府も動き出しています。
多くの人が関わっていかなければ、解消されない事態であることに変わりはありません。
他人事と思わずに、向き合っていきましょう。