奈良公園をはじめ、全国各地で見られるニホンジカは「日本固有の動物」というイメージがあります。
神話などにも登場し、昔から日本に生息し馴染みのある生き物だからでしょうか。
ニホンジカが全国各地で見られる理由の一つに、天敵の少なさがあげられています。
天敵はオオカミだけだったというのは本当?
鹿と天敵について調べてみます。
鹿が日本で繁殖した理由は天敵の少なさにあった!
生態系、という話をよく聞きます。
人間の文明が発展し、自然環境にも人の手が入るようになった結果、絶滅した動物や保護される動物が生まれてきました。
かつて、鹿は今ほど生息していませんでした。
鹿には天敵がおり、それがオオカミだったからです。
肉食であるオオカミにとってシカは格好の獲物であり、食物連鎖でいうと上位にくいこむ存在です。
ライオンやピューマといった動物が日本には野生で生息していないこともふまえると、鹿が注意すべきはオオカミ、そして狩猟していた人間くらいのものだったでしょう。
現在、その天敵であるオオカミは絶滅したと言われており、私たち人間も積極的に鹿を狩猟して食糧にするスタイルではなくなりました。
従って、日本において鹿の天敵がいない状態となっています。
そのために鹿は繁殖を続け、ついには私たちの生活に影響を及ぼす存在となってしまったのです。
鹿の繁殖力は非常に高く、毎年子供を産み確実にその数を増やしていきます。
人里に鹿が下り、畑を食い荒らすニュースも珍しくなくなってきました。
イノシシや熊と同様に駆除が問題にあがるようになってきたのです。
まとめ
鹿の過剰な繁殖への対策として、ニホンオオカミを森に放つ計画が立てられています。
自然界では絶滅してしまったオオカミですが、鹿の数を減らす為に飼育し、森へ放つことが鹿対策の一環として挙げられているようです。
天敵がいないことはいいことに思えますが、繁殖しすぎると生態系の破綻につながってしまいます。
どこまで人の手を加えるかも含めてバランスをとることが生態系の維持と考えると、非常にデリケートな問題ですね。