奈良公園で鹿たちに鹿せんべいをあげようとすると、一目散に寄ってきて早く寄こせと催促してくる鹿がたくさんいますね。
公園内にも、鹿せんべいをすぐに与えずに焦らすと鹿が怒るのでご注意くださいとの表示があります。
では、野生の鹿は一体どのようなものを餌として食べているのでしょうか。
野生の鹿はどんな餌を食べているの?
鹿は胃を4つ持っており、口で噛み砕かれた食べ物は一度胃で消化され、再び口に戻されて消化するという反芻を行っています。
そうすることで消化率を高め、多くの栄養を得ています。
鹿は草食動物です。
そのため基本的には木の葉や木の実、草など植物を食べます。
1日で食べる量は、なんと3キロにもなるそうです。
春から夏にかけて、植物には新芽や柔らかい葉がたくさん出てきます。
これが鹿の大好物となります。
また桜の葉やカシの葉、芝生などもよく食べます。
あるいはタケノコやシダ、笹の葉なども食べます。
秋から冬にかけては、鹿の好きな柔らかな植物の葉や草が少なくなる季節です。
そのため鹿たちは針葉樹の葉や植物の茎、根などを食べます。
また枯れ葉や小枝、どんぐりも食べますし、ススキや牧草なども食べます。
木の皮を剥がして食べることもあります。
野生の鹿は食糧の少ない冬を生き抜かなければならないため、春から夏にかけて植物をたくさん食べることで、体内に脂肪分を蓄えます。
季節が変わると、その脂肪分を少しずつエネルギーに変換しながら冬を越すのです。
季節に応じた処世術を身に付けている野生の鹿ですが、やはり寒冷地に住む鹿は冬の時期に命を落としてしまう確率が高いです。
日本でも北海道のエゾジカは、他のニホンジカと比べると5年ほど寿命が短いといわれています。
普段は山奥でひっそりと生きている野生の鹿たちですが、山の食糧が不足してくると人間の住む里山に下りてきて、田畑を荒らします。
主に大豆やとうもろこし、稲や麦、ほうれん草や椎茸が被害に遭いやすい農作物です。
まとめ
野生の鹿の天敵はオオカミだといわれています。
しかしオオカミが絶滅してしまったため天敵がいなくなった鹿は急激に増加し、山中での餌だけでは足りない事態となって、人間の住む場所までやってくるようになりました。
そのため、全国各地で捕獲が行われ頭数の調整がされています。