可愛らしい動物といえば、必ず名前がでてくるコアラは、ジャンルを問わずさまざまなキャラクターに使用されるほど、とても親しみのある動物ですね。
もちろん、動物園にいる動物たちのなかでも、トップクラスの人気者です。
ところがコアラを飼育する動物園が減少し、将来的には動物園でコアラの姿をみることが、できなくなる可能性が高いことをご存知でしょうか。
コアラを飼育する動物園の減少はコストの問題!
動物園で人気のコアラは、園内のオーストラリアコーナーやコアラ展などでみることができます。
しかしながら、2017年の時点でコアラを飼育している場所は、東京都・埼玉県・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県・鹿児島県にある8カ所の動物園に留まります。
多くの人に人気のあるコアラを、飼育していない動物園の方が多いのはなぜでしょうか。
このことは、コアラを飼育している動物園が減少する理由にも繋がっています。
コアラは餌にユーカリを食べますが、どのユーカリでも良いということはなく、好みのユーカリの葉や新芽を選んで食べます。
餌の1日の消費量は500グラム~1キログラム以上、本来ユーカリはオーストラリアにあるため、必要量を輸送による餌の供給が必要となります。
これでは、莫大なコストが掛かるため現在飼育していない動物園では、コアラが人を集めることが分かっているにもかかわらず、あらたに飼育することができないのです。
それでは、現在飼育している動物園は、どのように餌の問題をクリアしているのでしょうか。
大阪府にある動物園では、コアラの餌を確保するために、大阪府や鹿児島県など5カ所で約20種類のユーカリを委託栽培しています。
これで餌についてはクリアするのですが、次の問題となるのが、やはりコストの問題です。
コアラの年間飼育に掛かる経費は1匹あたり約2千万円、そのほとんどがユーカリの委託栽培の費用です。
ユーカリの確保はできるもののコストが掛かりすぎる、このような経緯で動物園はコアラ飼育の維持断念を決定しました。
つまり、現在動物園にいるコアラが寿命を全うした後は、あらたなコアラ飼育をおこなわないため、コアラと出会うことのできる動物園が減少することへ繋がります。
まとめ
コアラを飼育する動物園の減少を、テーマにみてきましたが、飼育コストの問題が一番の課題です。
飼育コストの大半を占める餌がポイントとなりますが、ユーカリを主に食べるコアラの食性のため難しい問題といえるでしょう。