コウモリはなんと、世界に1100種以上も存在します。
これは哺乳類全体の5分の1にあたります。
これだけ多くの種類のコウモリがいるのですから、そのすべてが夜行性というわけではありません。
中には昼行性のコウモリもいます。
コウモリは大きくオオコウモリ類と小型コウモリ類に分けられ、ほとんどのオオコウモリは昼間に活動して果物や花の蜜などを食べます。
オオコウモリの中には超音波を発しない種もあります。
夜に活動するのは小型コウモリです。
小型コウモリは超音波の反響を利用して暗闇の中を飛ぶことができます。
基本的に虫を捕らえて食べていますが、魚や肉や花の蜜を食べるコウモリもいますし、雑食のコウモリもいます。
コウモリが夜行性なのはなぜなのか
コウモリが夜に活動するようになったのは、昼行性の鳥類との生存競争を避ける為だと考えられています。
鳥類の起源はとても古く、コウモリが進化したころには、すでに鳥類が昼間の世界で繁栄していました。
小型コウモリは虫を主食としており、同じく虫を食べる鳥と活動時間をずらすことで夜間の世界で繁栄することができたと考えられます。
コウモリのエサとなる虫も夜行性で、コウモリは蛾や蚊、ゴキブリ、蜘蛛などを食べます。
コウモリの化石の研究から、コウモリはその進化の過程の中で飛行能力を得た後にエコーロケーションを獲得したという説が有力です。
エコーロケーションとは物体に音を当て、はね返ってきた音波を聞き取ることで周囲の状況を認識することです。
反響定位ともいいます。
夜行性のコウモリは視覚があまり発達しておらず、このエコーロケーションに頼って生活しています。
まとめ
コウモリは、翼を使って羽ばたいて飛ぶことが出来る唯一の哺乳類です。
なぜ、すでに鳥類が繁栄している空へわざわざ羽ばたいて進出することにしたのか、とても不思議です。
鳥類との競争を避ける為に、空飛ぶ哺乳類の地位を獲得するために夜行性になり、暗闇の中飛ぶためにエコーロケーションもできるようになって、コウモリの進化の過程でいったい何があったのか興味が尽きません。
もしかしたら、本当は昼間の空を飛びたくて鳥類よりも繁栄しようと頑張ってみたけれど負けてしまったから夜行性になった、という理由かもしれないと想像すると、コウモリがなんだかちょっと間抜けでかわいく思えてきます。