コウモリはつばさを使って飛ぶことができる、唯一の哺乳類です。

なかでも、小型コウモリ類は夜の空や暗い洞窟の中を視覚に頼らずに飛ぶことができます。

それは、コウモリが超音波を利用して周囲の状況を把握しているからです。

コウモリが発した超音波は障害物や虫などに当たって反射し、その反射した超音波を聞くことで対象物の距離や形や大きさを認識することができます。

これをエコーロケーションといいます。

エコーロケーションはコウモリ同士のコミュニケーションの手段でもあります。

ここではエコーロケーションのなかでも、とくにコウモリが距離を認識する仕組みについて詳しく説明します。

コウモリ 超音波 仕組み

コウモリが発する超音波で距離を認識する仕組み

コウモリは超音波を使ってどのように距離を認識しているのでしょうか。

その鍵はコウモリの驚異的な聴力にあります。

コウモリが超音波を発すると、その超音波は対象物に当たってはね返り、再びコウモリ自身に戻ってきます。

その超音波が戻ってくるまでの時間を測ることで自分と物体との距離を知ることができます。

空気中の音速は、1気圧で気温15度の場合に約340m/秒になります。

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例えばコウモリが発した超音波が戻ってくるまでの時間が0・1秒ならば片道分は0・05秒、つまり対象物とは約17mの距離があることになります。

このように、物体に当たってはね返ってきた音を聞くことで、自分と物体との距離を認識することができます。

小型コウモリ類がすごいのは、視力があまり発達していない代わりに、反射した超音波を聞き分ける優れた聴力を持っているところです。

約1m離れたところを飛ぶ虫からはね返って聞こえる超音波は0・006秒以内にコウモリに戻ってくるのですから、驚異的です。

まとめ

コウモリは自らも飛んで動き回りながら同じく動き回る虫との距離を認識しています。

上記のように物体との距離を計算せよという問題が出たとしたら、とても複雑な計算が必要になりそうです。

こんな複雑な計算をせずとも、物体との距離を瞬時に判断できるコウモリはとても優れた能力を持つ動物のようです。

対象物との距離が短ければ短いほど、超音波は短時間で戻ってきます。

コウモリはそのすぐれた聴力で、戻ってきた超音波を聞き分けます。

そして主食である虫を探して夜の空を飛び回るのです。

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