きれいな音色を奏でるバイオリンですが、実は弓の部分に馬の毛が使われていることをご存知ですか?
適度に長さのある、まっすぐな毛を選んで使用しています。
一体、どのようにして使用しているのでしょうか?
バイオリンの弓に使用している馬の毛とは?
昔からバイオリンの弓に、馬のしっぽの毛を使用しています。
使用本数は約160~180本ほどです。
多すぎても、少なすぎても音に影響が出てしまいます。
縮れた毛や短い毛は省き、長さがあり、太くしっかりしていて、良質な毛のみを選定しています。
モンゴル、イタリア、カナダ、イタリア産の馬のしっぽの毛が多く利用されており、モンゴル産は一番流通が多いです。
日本産の物は海外の馬より小さいので、しっぽの毛も短いですが、大変すばらしい毛質なので高値で取引されています。
その中でも、特に白馬のしっぽの毛が適していると言われます。
馬のしっぽの毛には一本一本細かいギザギザがあり、ここに弦が引っかかって、音を出す仕組みとなっています。
黒い毛だと、ギザギザが大きくてバイオリンに適さないので、チェロなどの低い音を出す弓に向いています。
白くするために漂白剤を使うと、毛が切れやすくなってしまうのです。
白い毛なら、あえて漂白することもなく、自然のまま使用する事ができます。
弓に張られた馬の毛に、松脂(まつやに)を塗ると白い粉が出ます。
粘着性があるので、塗ってあると弦をこすりやすくなり、良い音色がでるのです。
バイオリンの弓に使用している、馬の毛の交換の目安と、お値段は?
このまま使用を続けていると毛が痛んでくるので、交換をしなくてはなりません。
使用量によって頻度は変わってきますが、毎日使用していれば3~6か月ごとに変えた方が良いです。
また、毛の根元や、全体的に黒ずみが気になった場合も変えた方が良いです。
演奏会の1週間前などにも交換すると、音質が変わってよい音色が出ることでしょう。
弓の毛を交換する場合、値段が気になりますが、約5000円前後になると思います。
もちろん、上質の物と交換した場合はグレードも上がりますし、音質も変わってきます。
腕がよく、信頼できるお店を見つけて、納得した上で交換してもらうのが一番良いでしょう。
まとめ
使用する馬の毛は、食肉に使用した馬のしっぽを使う場合もありますが、お手入れをして散髪した物を使う場合と、状況は色々あります。
弓に使う為だけに、馬を処分することはありませんのでご安心ください。