私達にとって身近な昆虫であるカナブン、カメムシ、ゴキブリ。
皆さまはその違いについて考えたことがあるでしょうか?
虫嫌いの人にとってはどれも嫌なものかもしれませんが、これらの昆虫には三者三様の違いが存在します。
この記事をきっかけに、同じようなものだと思っていたこの3種類の昆虫に、どんな違いがあるのかを知っていただきたいと思います。
カナブンとカメムシの違いとは?
はじめにカナブンとカメムシの違いについてです。
カナブンは、コウチュウ目コガネムシ科ハナムグリ亜科に属するサナギの時期がある、完全変態の昆虫です。
日本では、本州から九州の平地から山地の雑木林などにすみ、その姿は都会でも見ることができます。
また朝鮮半島や、中国大陸などにも生息しています。
体長は25~30mm程度、体色は黄土色、赤銅色、緑色などさまざまで、金属光沢を持つものもいます。
見た目の特徴は形が平べったく、頭部が四角っぽくなっています。
成虫は6月~8月に多く現れ、クヌギやコナラの樹液、腐熟した果実の汁、木の花の蜜などが主食となります。
幼虫期には落葉などを食べて分解を助け、土壌改善をしてくれます。
幼虫は1年~2年で成虫になり、成虫の平均寿命は1ヵ月~2ヵ月ほどです。
次にカメムシです。
カメムシとはカメムシ目カメムシ亜目に属する昆虫のうち、カメムシ科に属する陸生昆虫の総称です。
そのため昆虫の中でも、数多くの種類が含まれるカメムシは、体の形や大きさ、色や模様は変化に富んでいます。
またカメムシ目は、サナギの時期が無い不完全変態の昆虫でもあります。
ほとんどの種類のカメムシは、植物の汁を吸って生活していることから、植物が生活の場であり居住地となっています。
種類によって習性もさまざまで、生活環境も多様で複雑であるがゆえに、日本全国に生息しています。
しいてよく見かけるカメムシの見た目の特徴をあげるならば、頭部が尖った三角形で、細長い触角を持ち、前胸は左右に張り全体的に見ると、5角形のような形をしているものが多いかもしれません。
驚くと臭い分泌液を出すため、不快害虫としても知られています。
成虫は4月~10月、一般に年1~2回発生します。
また成虫のまま越冬し、翌年の初夏に産卵します。
ざっとこれだけの情報でも、よく似た印象を受けるカナブンとカメムシが、実際は全然違う昆虫であることがお分かりいただけたかと思います。
カナブンとゴキブリの違いとは?
ゴキブリとは昆虫綱ゴキブリ目に分類されている昆虫の総称で、近縁にバッタ目やカマキリ目がおり、あわせて直翅系昆虫と呼ばれています。
カメムシ目と同じく不完全変態の昆虫です。
日本での生息北限は東北までとされていましたが、近年は少ないながらも北海道の一部でも目撃されるようになりました。
ゴキブリといえば、家の中に現れる害虫としてのイメージが強いですが、昨今の爬虫類飼育ブームによってレッドローチと呼ばれる餌用ゴキブリや、漢方薬の原料となるサツマゴキブリなるものも存在しています。
しかし今回は、居住空間に現れるゴキブリの生態をメインに説明していきましょう。
家住性のゴキブリの体長はどれも10 ~40mm程度です。
体色は黒褐色、黄褐色で光沢を持つ種類もあります。
多くの種は長い触覚を持ち、全身が平べったく、狭い場所に入り込むのに都合がよい見た目をしています。
雑食性でありとあらゆるものを食べ、強い生命力を持ちます。
夜行性で、暗いところや狭いところを好んで生息しており、食べ物のある場所や温かい場所、水場などの条件が整った場所などを好んで生活しています。
冬場は活動していないと思われがちですが、ゴキブリは寿命の長い種類が多く、家の中の温かい場所でじっとしているだけのことも多く、冬でも油断できません。
カナブンとゴキブリ、よく家に入り込んでくるという点では似ていますが、カナブンは昼行性で、ゴキブリは夜行性です。
家の中を飛び回られるとなかなか恐ろしいものでしょうが、飛ぶのが上手いカナブンと違いゴキブリは、飛ぶのがあまり上手くありません。
病原菌を媒介するゴキブリと違い、カナブンは無害な昆虫なのでどうか落ち着いて対処してください。
まとめ
以上簡単に、3種類の昆虫の特徴を上げていきましたがどうでしょうか。
なかなか個性的な昆虫たちだと思いませんか?
これを期に十把一絡げにしてきたこの3種について、じっくり観察していくのはどうでしょうか。