競走馬はレースに勝つために毎日様々な種類のトレーニングを調教師と共に行います。
その中の一つに、プールでの調教があるのをご存知でしょうか？
脚の速さを競う競走馬が、プールを使用してトレーニングをするというのは意外に思われるかもしれません。
しかし、水中での調教というのは、馬にとってメリットの大きい調教方法なのです。
競走馬がプール調教をする事によって得られる効果とは、一体どういったものなのでしょうか。
プール調教が競走馬に与える効果
まず一番に挙げられる大きな効果としては、心肺機能の向上があります。
プール内に流れる水の圧力に耐えながら泳ぐことにより、肺機能が高まると共に、血液の循環も促進されるためです。
調教によって心肺機能が高まることにより、競走馬にとって欠かすことのできないスタミナが増加します。
スタミナがあると、速度面で有利になるだけでなく、長距離レースなどでも疲れにくくなります。
そして水圧がかかる中でトレーニングをする事で筋力アップにもなり、体重を落として引き締めたい時にも有効です。
また、プール調教の与える効果はトレーニングという側面だけのものではありません。
プールを好む馬も多く、調教後のクールダウンやレース後のリフレッシュに使用する事により、競走馬の精神面でのコンディションも保つことが出来るのです。
競走馬の中には人間同様個体差があるため、泳ぎが苦手な馬も存在しますが、基本的にプール調教はどの競走馬に対しても効果的なトレーニングです。
水の中を泳ぐため脚への負担が少なく、脚部が不安な馬や怪我から復帰してリハビリ段階の馬などが特に向いているといえます。
また、夏の暑さに弱く走路でのトレーニングが難しい競走馬も、水中で熱を逃がすことが出来るプール調教が効果的です。
まとめ
一見競走馬としては不思議に思えるプール調教ですが、心肺機能を鍛え、競走馬がレースを走りぬく為に重要なスタミナを向上させます。
夏場の暑さに弱い馬やリハビリなどで脚に負荷をかけることが難しい馬も、水中で無理なくトレーニングをすることができます。
また、トレーニングとしての意味だけではなく、競走馬が気分をリフレッシュできる場所でもあるようです。
実用的なトレーニングと精神的なリフレッシュ、どちらも兼ね備えているのがプール調教の魅力なのかもしれませんね。
