私たちにも身近な存在のイカですが、その進化は驚きでいっぱいです。
イカはなんとなく魚とは違う仲間かなと思われる方も多いと思いますが、まさかイカと貝が同じ仲間だなんて驚かれた方も多いのではないでしょうか。
柔らかそうな体のイメージのイカと、硬い殻をもつ貝が同じ仲間だなんて不思議です。
かたい殻をもつ貝から、どんな進化の過程を経て、今のイカが誕生したのでしょうか。
イカは貝から進化した!
イカは分類上、軟体動物です。
軟体動物は背骨がなく、柔らかい体をもつ生き物の仲間で、巻貝と二枚貝が有名です。
さらに軟体動物は7つのグループに分けられ、そのうちの1つが頭部から足が生えているイカ・タコの仲間の頭足類です。
頭足類にはタコやオウムガイ、絶滅したアンモナイトなども含まれます。
実は舟形のイカの甲や、私たちが骨のように感じるイカのペラペラした石灰質の軟甲は、貝殻の名残だそうです。
かつては、かたい殻で守られていた筋肉が外にでてきて、かたい殻を覆っている、そういう構造を知ると貝の仲間であることも納得できます。
イカが貝から進化したその過程は?
イカの進化の過程は謎だらけだといわれています。
イカの進化を探るため、オウムガイを含めた祖先までさかのぼると、5億年前ともいわれています。
その後アンモナイトや現在のイカに似たべレムナイトが、2億3000万年前に誕生したともいわれていますが、アンモナイトもベルムナイトも現在は絶滅していることから、隕石による誕生説なども推測されています。
実際のところ、かたい殻で身を守る巻貝や二枚貝と違って、頭足類であるイカは、柔軟性の高い身体構造により自由に動きまわることができます。
他の同等の生物と比べて大きな脳や神経系の存在、独特な仕組みを持つ目、体の表面の模様を周囲に合わせて変化させる能力など、通常の進化では考えることのできない特異性を持っているといわれています。
そのためイカの進化の過程は、まだまだわからないことが多く神秘的です。
まとめ
今のところ科学的な観点と、飛躍的な推理とが共存しているイカの進化の過程ですが、今後の解明に期待したいところです。
イカは世界中のあたたかい海や南極や北極などの冷たい海にも、また浅い海や光が届かない深海などあらゆる海に広く生息しています。
現在、確認されているイカは約500種といわれています。
コウイカ、ミミイカ、スルメイカ・ヤリイカの仲間に分けられます。
最近何かと話題になる軟体動物で、最大の生き物であるダイオウイカは、スルメイカ・ヤリイカの仲間です。
深海のモンスターと呼ばれているダイオウイカも、元をたどれば祖先は貝だったなんて、とても興味深いです。