多くの人は生き物たちが光に集まる様子について気になったことや、またその習性を利用して生き物を捕まえたりしたことがあるのではないでしょうか。

その中でも海で見かける集魚灯、その明るさは人工衛星からも確認できるほどだといわれています。

海で暮らす生き物たちは、光には敏感だといわれています。

目が非常に発達しているイカと光の関係は、大変興味深いものです。

どういうことが解明されてきているのでしょうか。

イカ 光 習性

イカって光に対してどんな習性があるの?

イカは光に向かう習性があるといわれています。

ところが、実はイカは強い光が大の苦手です。

イカは、強い光を感じると、網膜の組織にある黒色色素胞がサングラスの役目を果たすことによって、眩しさから逃れます。

イカは、イカ釣り漁船の強い光を好んで集まってきているわけではないのです。

また、光に反応したプランクトンに集まってきた魚目当てに、イカが近づいてくるという食物連鎖によることもよくささやかれますが、そちらもまたそうではないようです。

では、なぜ光に集まってくるといわれているのでしょうか。

疑問が多い中、イカ釣り漁船の実験結果から解明されてきた内容に、答えがたくさん詰まっています。

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集魚灯の明かりによって、強い光を嫌うイカが、イカ釣り漁船の強い光が当たらない漁船の底の部分、船影の暗い所に逃げ込んでくるからだといわれています。

それを捕まえるのが、イカ釣り漁の仕組みだということになります。

そしてイカは、昼間は警戒心が強く、明るさも嫌うために水深200~300mの海底近くにいますが、夜なると警戒心も薄らぎ活動的になるため、比較的表層にいることが多いことも、イカ釣り漁に生かされているのだそうです。

また、強い光と影によって集められたイカは、集まった後に光を弱めても、その場から逃げることはないそうです。

しかし実験結果から、夜明けとともに逃げていくことは確認されています。

明るいところが苦手なイカですが、真っ暗な状態では、海底にとどまったり、ぶつかったり、群れを作れないこともわかっています。

イカは目の構造からも、水平方向への動きが得意です。

そこで水平方向に光を照射すると、イカはヒレのほうから、光源に向かい群れることがわかりました。

さらにイカは、水平に近い方向からの光には、餌となるものがいなくても、光源の付近にとどまることも明らかになっています。

まとめ

江戸時代から続くイカ釣り漁を知ることで、イカの光に対する習性がひとつ解明されたように感じます。

影があることによって、光に向かうといわれているイカの習性は、この世に存在するすべての光と影の関係を想像させるスケールを呼び起こします。

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