馬の足の指は何本?と聞かれた時に皆さんならどう答えますか?
多くの方が1本と答えるのではないでしょうか。
馬の蹄を人間の爪と同じ様に考えれば、指が1本と言う事になります。
でも実は馬の指の本数は1本では無いのです。
そこまで深く馬の事について考えた事が無いからわからないと言うのが、正直な反応ではないでしょうか。
馬の足の指は哺乳類としては非常に珍しい構造となっているのです。
馬の足の指の本数はいったいいくつあるの?
馬の先祖は約5000万年前には、既に北アメリカ大陸にいた事がわかっています。
この時代の馬の足の指は、前足に指が4本、後ろ足に指が3本があった様です。
当然ながら今の様な蹄的な感じではありませんが、全ての指に爪があった様です。
大きさは現在のキツネ位と言いますから相当小さいものです。
その後、約4800万年が掛かって現在の馬のように大型になっていき、前足・後ろ足ともに1本の指だけで立てるように進化してきたのです。
この指の爪だけで天敵から身を守るために体を進化させて、より早く走る事ができる体型になったのです。
そうなると現在の馬の指は1本のように聞こえるかもしれませんが、実はより早く天敵から逃げるために人間で言う中指だけが発達したと考えて良いでしょう。
残りの指はどうなってしまったのか?と言う事ですが、退化してしまったという考え方が一般的です。
馬の足のレントゲンをみると、その名残のような形で、3本の指が確認される事がわかります。
前足の1本は完全に退化してしまい、確認が取れない位になっています。
今の馬の指の足は基本は中指だけで立っている事になります。
蹄は中指の爪が進化し速く走れるようになっているのです。
これは一般的に科学者が研究してきた結果なのですが、最近になってこれを覆す様な論文が発表されたのです。
イギリスの科学誌に掲載されたのですが、発表したのはアメリカの科学者ニコス・ソロニアス教授です。
馬の足の指は元々全て5本あったと主張しています。
進化の過程でそれぞれの指が、退化したのではなく、チューリップの花のつぼみのように、1本の指に融合する形になっている。
言っているのです。
中指だけが突出した変種がした事で、使われなくなった指は退化したのではなく、融合されるように変形して言った事を論文で紹介しています。
現在の馬の骨は中指意外に副木骨の背面にある突起した骨が親指と小指の機能を果たしている事も論文に掲載しています。
ソロニアス教授は馬の足は退化によって現在の足になったのではなく、融合によって進化した足になっていると言っているのです。
どちらにしても現在の馬の足の指が3本には変わらないと言う事なのですけどね。
まとめ
馬の足の本数について紹介してきました。
大昔は、馬はキツネのようだったと言うのが意外と驚きです。
哺乳類の進化経路図的な物を見ると確かに全ての哺乳類の根元は1つですから、そこから進化して現在の姿になっています。
馬の種類だけが足の指の進化が起きて、指の本数が変化したと言う事なのでしょう。
現在では、野生の馬も多くいますが、天敵となる肉食獣との関係は変わってはいませんから、今後更に足が早くなるように進化した馬が突然変異で出てくるのでしょうか?
ある意味、怖いような気がしますが、これが進化なのでしょうね。