猫は人がなでたりすると、ゴロゴロと言う音を発しながら目を細めて何となく至福そうな顔をしています。
では、馬の喉なりと言うのはいったいどう言う物なのでしょうか?
猫のように至福を感じての事なのでしょうか?
それとも、大変危険な病なのでしょうか?
馬の喉なりについて見ていきましょう。
馬の喉鳴りとは?手術が必要?
馬の喉から、異音的な音が出る事を喉鳴りと言います。
猫が喉をゴロゴロするのとは全く別物と思って下さい。
この喉鳴りは、馬にとっては重大な呼吸器疾患となるのです。
呼吸をする時にヒューヒューやゼイゼイと音が聞こえてきます。
基本的には呼吸をする際の気道部分が狭くなるために、そこを空気が通る事で音が出る事になります。
この喉鳴りになってしまう原因にはどんな物か有るのでしょうか。
気管入り口の筋肉の麻痺
呼吸器の感染症によって気管の軟骨が開かなくなる事で、気道が狭くなる等が原因と考えられますが、他の要因も原因となりうるので、一概にこれだ!と言う事は出来ません。
また、この喉鳴りは喘鳴症といわれる病気と言う事になります。
この喉鳴りは軽量級の馬に発症しやすいと言われており、サラブレッドやアラブ系の競走馬に多く見られる疾患と言っていいでしょう。
この喉鳴りが発症すると、一般的には競争能力が落ちると言われているために、競走馬にとっては非常に厳しい病気と言ってもいいかもしれません。
JRAが管理している競走馬の60%が何らかの呼吸器疾患のキャリアと言う事がわかっています。
喉鳴りの馬は若い馬ほど多く見られ成長していく過程で、症状がなくなってしまう事もあるため、若いうちに発見されたとしてもすぐに、競走馬としてやっていけないと言う訳では有りません。
喉鳴りが発症すると競走馬としての能力が落ちると言う事で有れば、何らかの処置ができないのか?と考えるのが普通です。
一応この症状に関しては、手術を施す事が可能と言う事になっています。
喉鳴りの手術方法は一般的には、喉頭形成術と呼ばれる方法となります。
麻痺してしまっている筋肉を開かなくてはなりません。
麻痺している筋肉の変わりに、筋突起を口内にある軟骨の後ろ側に手術用の糸で引っ張って固定します。
どれだけ咽頭を開くかは、内視鏡で見ながら判断します。
固定するのが小さい軟骨な為に、やり直すと確実に割れてしまう為、やり直しが効かない手術とも言えるのです。
そのため、成功率は44~87%と言う開きのある確立になってしまうことになります。
仮に手術がうまくいった場合でも、喉鳴りが発症する前の能力に戻せるかと言うと、50%前後の能力維持する事は可能ですが、70%以上の能力まで戻す事は非常に難しいといわれています。
この喉鳴りが発症した場合には、競走馬として能力は確実に落ちてしまう事になるのです。
まとめ
喉鳴りの原因と治療方法などを紹介してきました。
人間でいうと、喘息に似た症状と言う事になるのでしょう。
馬の場合には完治することがどうやら出来るようではないため、競走馬としては致命的な病気とも言っていいのでしょう。
この病気が原因で引退してしまう馬も相当数いる様ですから、管理者は相当気苦労が絶えないのでしょうね。