同じ草食動物で、同じ家畜の羊と牛ですが違いってわかりますか?
もちろんわかりますよね。
大きさや、鳴き声も違いますし、図鑑で見れば一目瞭然だと思うのですが、では細かい違いを知っていますか?
今回は羊と牛の細かい違いを見て行きたいと思います。
羊と牛の違い
羊、ヤギ、鹿、牛は鯨偶蹄目の牛亜目に属する動物です。
牛亜目に属するのは、
- 牛科、牛亜科、牛属、
- 牛科、ヤギ亜科、ヤギ属、羊属、カモシカ属
- 鹿科、鹿属、トナカイ属、ジャコウジカ属
- キリン科、キリン属、オカピ属
と分類上はこうなりヤギと羊は近い種類ですが羊と牛では少し違って来ます。
では牛と羊では、どんなところが似ていて、どんなところが違うのでしょうか?
まず角です。
羊も牛も鹿の角のように生え変わりません。
次に歯です。
羊も牛も上顎の切歯がありません。
羊は牛と比べると下顎切歯の歯列が狭く臼歯の幅も狭くなっています。
これは長い草を舌で巻き込んで口の中へ運ぶ牛と、短い草をついばんで食べる羊の食性から来ています。
牛や羊を含む偶蹄目というグループの動物の指の数は常に2本か4本の偶数です。
排泄物は牛が水分を多く含むのに対し、羊の排泄物は乾燥していて粒状になっています。
胃は牛も羊も反芻亜目でよく似た胃を持っています。
乳頭の数は羊は2個しかありませんが牛は4個あります。
目は牛も羊も顔の横に付き瞳孔が横に長くなっていて360度ほとんどが見えるようになっていますが距離を掴むことはできません。
鼻は牛は鼻鏡が発達しており鼻先が左右に離れていません、一方羊には鼻鏡がなく鼻先が左右に離れています。
羊と牛の革の違い
牛革は、大判の革で裁断の自由度が高く繊維密度も緻密で強靭、銀面も美しく強固、仔牛革から成牛革まで幅広い性質を網羅していてどんな用途にも使えるとても優れた革です。
革の頂点にたつ万能革ですが反面、重量があって硬く、加工が難しいという面があります。
羊革は小判・中判の革で繊維密度は低くて脆弱ですが繊維と大差なく加工できて銀面が揃った扱いやすい革です。
その反面強度は弱く耐久力に欠ける革です。
革は丈夫とイメージがありますが、それは牛革のことで羊革はそれほど丈夫ではありません。
まとめ
羊と牛では似たところもいっぱいありましたが、違うところもありましたね。
同じ家畜ですが人間がそれぞれ使いやすいように改良した動物ということでは、どちらも一緒です。
もしも羊や牛たちが家畜になってくれていなかったら、人間のここまでの発展はなかったでしょう。
牛製品や羊の製品、ありとあらゆる家畜の製品を使うときは感謝して使用する気持ちが大切だと思います。