狸は時に、妖怪として話に登場することが有ります。
人間を始めとする様々なものに変化し、人間を欺く化け狸が代表的です。
この化け狸ですが、具体的にはどのような妖怪なのでしょうか。
狸がモチーフにされている妖怪の種類!
化け狸が記述された、最古の書物は奈良時代の『日本書紀』です。
人に化けて歌を歌うという内容です。
化け狸の伝承は日本各地にありますが、とりわけ多くの伝承がのこされているのは四国になります。
狸は妖怪として伝承されるだけではなく、寺や神社にまつられて信仰の対象となっている狸も多くいます。
妖怪!化け狸の種類は?
化け狸と一口に言っても、何に化けて何をするかによって種類が分かれます。
多くは地域に伝承される化け狸の話から分類されたので、地域ごとに種類が違う、という見方も出来るかもしれません。
いくつかの化け狸を紹介します。
徳島県鳴門市に伝承される化け狸は、赤殿中(あかでんちゅう)と呼ばれます。
狸が赤い袖のない半纏を纏った子どもに化けます。
子供は背負うことをしつこく要求し、根負けして背負うととても嬉しそうに背負ってくれた人の肩を、叩くという和やかな化け狸です。
袖のない半纏を、でんちゅうと呼ぶため、赤殿中と名付けられたようです。
徳島県三好市に伝承される化け狸は、傘差し狸(かささしたぬき)と呼ばれます。
夕立など、傘をさした人間に化けて突然の雨に傘を持っていない人間を呼び止めます。
人間に化けた狸だと気が付かず、傘に入れてもらうと、知らない所に行ってしまうという怪談話のような狸です。
熊本県玉名郡、宮崎県日向市に伝承される化け狸は、重箱婆(じゅうばこばば)と呼ばれます。
狸が老女に化けて現れます。
その手には、重箱が抱えられています。
熊本ではさらに重箱婆が「重箱婆じゃ、ご馳走はいらんかえ」と声を掛けてきて反応した人に、ご馳走ではなく石のようなものを担がせたと言います。
まとめ
化け狸には、地域ごとに特色があります。
様々な種類の化け狸がいますが、四国に多く伝承が残されています。
人間の命が、危険に晒される化け狸から和やかな化け狸までおり、その種類は多岐に渡ります。
化け狸は、ほとんどが伝承の中の存在なので、現代にお目にかかることはないとは思いますが、化け狸の種類を調べたり、自分の出身地に伝わる化け狸がどのようなものか知ることは、知識を豊かにすることに繋がるでしょう。