ハイエナは、いまでもアフリカの多くの社会で、夜に内臓を食べてしまう邪術師が姿を変えたものだと信じられているそうです。
足が妙に短く、バランスを欠いた姿や、夜行性で、最後の最後まで獲物をむさぼる姿が、不吉なイメージを人間に与え続けているからでしょう。
そこまで嫌われ続けるハイエナとは、いったいどんな動物なのでしょうか。
生態について詳しくご説明いたします。
ハイエナはどんな動物?そして生態は!?
ハイエナとは、インド~アフリカを中心に生息する、ハイエナ科哺乳類の総称です。
犬に似た容姿をしているので、イヌ科の動物と思いがちですが、ジャコウネコ科であり、ネコに近いところにまとめられています。
頸の背面に長い毛がある為、日本では鬣犬(タテガミイヌ)という別名もあり、とても犬に似ている為、最初の命名での混乱を物語っています。
現在は、ブチハイエナ、カッショクハイエナ、シマハイエナ、アードウルフの4種類存在しており、それぞれ分布域や、性格も違います。
アードウルフを除く他の3種は、肉食動物が食べ残すような骨を砕く、強力な顎を持ち、それをキレイに消化する強い消化器官をもっています。
野生での寿命は、10年~20年と比較的長寿の生き物です。
ハイエナはオスもメスも肛門腺が非常に発達していて、そこから出るクリーム状の分泌物を草等になすりつけ、縄張りをアピールします。
オスはメスよりも一回り小さく、メスよりも力が弱いとされています。
ハイエナはメスと幼いハイエナだけのグループと、オスだけのグループに別れて生活し、メスのグループは厳格な序列がありますが、オスの群れの中には特に順位はありません。
メスのグループの方がオスのグループよりも上位に位置し、実質ハイエナのボスはメスという事になります。
そのメスの長女が次の世代のボスになり、成長したオスはオスのグループに入ります。
ハイエナはオスとメスの区別をつけるのが難しく、オスの持っている生殖器ととても似ている、擬似生殖器をメスはもっています。
それは尿道でもありますが産道でもあり、出産したメスはその擬似生殖器は無くなります。
一説では、ボスとして群れをまとめる統率力を誇示しているうちに、発達したものではないかと言われています。
まとめ
ハイエナは顎の力が強いので、他の動物が食べる事の出来ない骨まで、食べつくす事が出来ます。
その為に、最後の最後までむさぼり食べるとか、残り物にむらがる卑しい動物というイメージが、ついてしまったのかもしれません。
また、オスとメスがはっきりしない姿は、宗教的にもあまり歓迎されず、古代から嫌われてしまう要因となってしまいました。
見方を変えれば、他の生き物が食べられないものを食べて、キチンと分解してくれる存在であり、オスとメスがはっきりしないのも生きるための進化でしかないのです。