ハイエナのイメージを覆す、獲物の60%を自分の力で仕留めるのが、4種類のハイエナの一つである大型ハイエナ、「ブチハイエナ」です。
世間ではライオンの獲物の残り物を食べたり、時には集団で横取りするハイエナのイメージがありますが、実は、群れからはぐれたライオンは、ハイエナが仕留めた獲物を横取りしている事が多いのです。
実はライオンとハイエナは互角に渡り合うライバル関係にあり、もしかしたら、ライオンもハイエナも同じ様に群れをなして生活しているのは、お互いの身をライバルから守る為なのかもしれません。
狩りの腕は、ライオンよりもむしろブチハイエナの方が上かもしれません。
理由はその狩りの方法にあります。
詳しくご説明いたします。
ハイエナの狩りの方法!
ブチハイエナは、クランと呼ばれる群れを作ります。
ブチハイエナのボスはメスです。
メスの方が大きく、クランは女社会といえます。
このクランの数は5頭~50頭くらいで、序列がしっかりと決まっています。
ハイエナの狩りは、一言でいうと追跡です。
狩りは夕暮になってから、仲間と協力して狩りを行います。
ハイエナは獲物を発見してから、最大時速60kmで、獲物を執拗に追跡します。
その追跡距離は2~3kmにも及び、疲れてしまった獲物の子供が最初の餌食になってしまうのです。
ライオンの狩りがスピード勝負とすると、ハイエナは持久戦と言えます。
一つの群れのハイエナに捕まったシマウマは、30分もしないうちに骨まで食べつくされ、跡形もなくなります。
ハイエナは時には、ヌーなどの自分達よりもはるかに大きい動物にも狙いを定めます。
その狩りの方法は独特です。
ハイエナは実は非常に頭がよく、相手の弱点を見抜いてから攻撃をしかけます。
まずは、ヌーの群れから標的を一匹選び、軽くジャブ程度の攻撃を仕掛けます。
そして、その個体の特徴と弱点を見抜くと、群れから本格的攻撃隊が攻撃を開始します。
持ち前の持久力を使い、いろいろな角度からその一匹を追い込み、群れから孤立させ、ヌーを仕留めるのです。
その計算された狩りの成功率は、ライオンよりもはるかに高いのです。
まとめ
泥棒のイメージが強いハイエナですが、そのイメージに近いのは「カッショクハイエナ」と「シマハイエナ」の2種です。
「アードウルフ」はシロアリを主に食べ、ハンターとはいいがたいので、ハイエナの中のハンターは「ブチハイエナ」の1種だけとなります。
そのブチハイエナの狩りの能力は優れていて、クランと呼ばれる群れは、ガチガチの体育会系のように、役割から立場まで明確に決められています。
その統率のとれたクランだからこそ、計算つくされた攻撃で仕留める事が出来るのです。
ハイエナの群れが仕留めた獲物を、時々群れから出たライオンは横取りしておこぼれを頂きます。
ハイエナからしてみれば、このライオンはコバンザメのような存在かもしれません。
ブチハイエナに関しては、泥棒のイメージとは真逆と言えます。