オオカミに関する伝説で有名なのが、昼間は人間で夜に満月を見るとオオカミに変身してしまうオオカミ男でしょう。
この伝説は、古くはギリシャ時代にまで遡ります。
オオカミは、人を襲う動物として恐れられた経緯があり、数多くの伝説があります。
中には、人を襲い、その魂を天国か地獄に連れて行くなどと信じられていた時代もありました。
日本でも大きい神と書いて大神と漢字で表記し、崇拝していた地域もあります。
このように、恐れられながらもある面では崇拝すらされるオオカミとは反対に、行動的にはあまり変わりはないにも関わらず、ギリシャ時代からの嫌われ者なのがハイエナです。
この違いはいったい何なのでしょう。
オオカミとハイエナについて違いをご説明いたします。
オオカミとハイエナの違いは?
そもそもオオカミとハイエナは種が全く違います。
オオカミは食肉目イヌ科オオカミ属の動物ですし、ハイエナは食肉目ハイエナ科の動物で、どちらかといえばジャコウネコに近い種になります。
生息地も真逆で、オオカミが北半球ですが、ハイエナはアフリカです。
大きさで比較すると、タイリクオオカミという種は最大200cmにもなり、ハイエナの最大種のブチハイエナよりも大きい事がわかります。
オオカミよりも、ハイエナが嫌われる原因は、スタイルの違いではないでしょうか。
オオカミの立ち姿はどこか凛とした神々しさすら感じますが、ハイエナは後脚が前足より短く、なんとなく違和感を感じます。
その長さの違いが、ただ歩いているだけなのに、泥棒のようにコソコソ歩いているように見えてしまうのです。
オオカミは、イヌ科の動物がそうであるように、「パック」と呼ばれる多い場合は30頭位の群れで生活をしています。
その群れは数10kmも移動し獲物を探します。
そして獲物を発見した時は、何度も攻撃を繰り返して仕留めます。
一方ハイエナも「クラン」と呼ばれる多い時には、80頭にもなる群れで狩りを行います。
場合によっては、ヌーの群れを狙っていくこともあるほどのハンターです。
オオカミはハイエナほど顎の力は強くありませんので、獲物を噛み砕くというよりは切り裂いていくような感じで獲物を倒します。
まとめ
オオカミは寒帯、ハイエナは熱帯に生息し、出会う事はない動物です。
それを何故か比較してしまうのは、とても不思議な事です。
本当のところ、オオカミは自ら人を襲うことはない動物とされています。
オオカミが人を襲うと言われ始めたのは、ヨーロッパでは羊などの家畜を襲う恐れからだと言われています。
日本では、人を襲う事がなかったオオカミが人が持ち込んだ狂犬病に感染してしまったのが、恐れの原因です。
オオカミを恐れながらも卑しいイメージが無いのは、ハイエナのように強靭な顎をもっていなかったからかもしれません。
最後の最後まで残さずに骨まで食べつくすハイエナは、泥棒のような歩き方とあいまって悪者になっていきました。