現在日本には、狼の存在は確認がされていない状況です。
しかし、劇的に増えてしまった鹿やイノシシに対しての有効策がハンターによる狩りしかありません。
それに狩猟時期も決められており、繁殖を抑えるまでには行きません。
狼を導入する事も検討されていますが、狼の生態を知らなければ、導入しても、また絶滅の道を歩むしか無くなってしまいます。
狼の生態はいったいどうなっているの?繁殖はいつ行われるのか?
世界には多くの狼の種類が存在しています。
その多くはハイイロオオカミの亜種と言う事がわかっています。
ハイイロオオカミの生態はどの様になっているのでしょう。
狼の行動は基本的にはパック(群れ)での行動になります。
このパックを構成するのは、つがいの狼を先頭に後はつがいの子ども達になります。
パック=家族と言う考え方の方がわかりやすいでしょう。
このパックの頭数は4頭から最大で22頭までと言う事がわかっています。
このパックの頭数の大小は獲物の大きさとイコールの関係とも言われています。
大型の獲物を毎回狩りの目標にしているパックは必然的に頭数が多くなり、小型・中型の獲物を狙うパックの頭数は小さくなって行きます。
狼のパックの頭数を見ると狙っている獲物の大きさがわかるようになっています。
パックを作る構成は全て家族と言う事ですから、当然繁殖も行わなければなりません。
狼のパックはトップに君臨するつがいのみが繁殖する事が出来るシステムになっています。
繁殖の時期は冬に身ごもり、春に出産と言うケースがほとんどです。
これが毎年行われる事になっています。
それだと毎年パックの頭数が増えると言う事になりますが、狼のオスは年齢が2歳~3歳になると、自分のパックを作る為に親のパックから離れる事になっています。
残るのはメスの狼と言う事になりますが、こちらも他のパックから離れたオスとつがいになる為にオスがパックに現れた時にパックから離れる事になります。
結果的には、子どもが生まれても、パックの頭数が大きく変動する事がないと言う事になるのです。
狼の出産で産まれる子供の数は?
狼のメスは冬に身ごもり、春に子どもを出産する事になっています。
この時に生まれる子どもの狼の数は平均4~5頭です。
最大でも8頭が生まれます。
この子どもの数はある程度、親のメスの栄養状態によって生まれてくる頭数にも差が生じることの様です。
身ごもる前に狩りがうまく行っていない場合には、翌年の春に生まれてくる子どもの数に直接影響が出ると言う事になっています。
当然ながら、狙っている獲物の大きさでパックの数が決まる事から、そのパックで生まれてくる子ども数は、おのずと毎年同じ頭数の前後と言う事になるようです。
この生まれた子ども達は、親だけでなく、先に産まれている兄弟たちにも面倒を見られます。
子どもの教育・育成はパック全体で行うというのが狼のルールになっているのです。
但し、これだけ、手厚くパックで面倒を見てもらっている子ども達は、生まれて最初の年の冬を、全部が越える事ができません。
冬越えができるのは、生まれてきた半数以下の子どもの狼しか越えられていないようです。
寒さや飢え・病気等が主な原因の様です。
これが自然の摂理と言う事なのでしょう。
狼のパックはこれによっても数が調整される事になっているという訳です。
まとめ
狼の繁殖時期や産まれてくる子どもの数について紹介してきました。
仮に日本に狼が導入された場合には、日本全体で5000頭~10000頭と言われています。
これって数が多く感じますが、鹿やイノシシはその何百倍の数量がいるのです。
狼の導入を反対している方も大勢いますが、狼の生態を知ることで、日本の現状の問題を解決する事が出来るのかもしれないのです。
日本の自然はもう既に破たんしている事を忘れてはいけません。