百獣の王、ライオン。
動物園でも特に人気の生き物で、サファリパークなどでは目玉の動物のひとつです。
ところで、ナイトサファリなどでライオンを夜見たことがある方もいらっしゃると思いますが、ライオンの目って、夜になると光って見えるんですよね。
暗闇の中で輝く二つの瞳は迫力満点で、ナイトサファリの雰囲気が一気に盛り上がります。
でも、あれはいったい、どういうしくみで光って見えるのでしょう。
昼間のライオンを見ても目が光っている様子はないのに、夜になるとこちらに反応するかのように光りだすのはとても不思議です。
今回は、ライオンの目が夜どうして光るのか、その目のしくみを踏まえて説明したいと思います。
ライオンの目が光る理由
ライオンの目には、網膜の奥に輝板(タペタム)という組織があります。
この組織は、目の中で反射板の役割を果たします。
ライオンの目の中に入ってきた光は網膜を通り、どんなに弱い光であってもこの反射板によって反射され、網膜に再び返されます。
ライオンの網膜には、グアニンという物質が含まれており、光が当たると白く輝くと言う性質を持っています。
この性質により、反射された光が何倍にも増幅されるので、ライオンは暗い場所でもわずかな光だけで物を見ることができるのです。
ナイトサファリなどで近づいてきた私たちに反応してライオンの目が光っているように見えるのは、この輝板が人間の持っている光を反射・増幅しているためなのですね。
このようなしくみを持っている動物はライオンだけではなく、ネコやシカ・キツネなど、主に夜行性の動物に多く見られます。
彼らが光の少ない夜の暗闇の中でも行動することができるのは、この輝板とグアニンからなるしくみのおかげなのです。
なお、明るい昼間でもこのしくみは働いているのですが、人間の目ではそれを認識することができないため、昼間にライオンの目が光って見えることはないそうです。
まとめ
ライオンの目が夜になると光る理由についてお話ししました。
特に疑問に思っていなかった方もいらっしゃるかもしれませんが、しくみがわかると途端に興味深く見えてくるのが面白いですね。
もし夜ライオンを見る機会があれば、ぜひじっくりとその光る目を観察してみてください。