ライオンの目をじっくりと見てみたことってありますか?
とてもきれいな瞳をしているのですが、怖くて直視したことがない、という方もいらっしゃるかもしれません。
このライオンの目、よく観察してみるといろいろなことがわかるのです。
今回は、ライオンの目の構造と、そこから読み取れることについて、お話ししたいと思います。
ライオンの目の構造
ライオンの目は、顔の前側に寄った形でついています。
この構造は、主に肉食動物に見られる特徴です。
両目が前方に寄っているため、両脇の視界が狭いかわりに、前方を両目で見られる角度が広く、ものを立体的に見ることができ、かつ対象物との距離を正確に測ることができます。
この構造により、獲物をしっかりと捉え、効果的に狩りをおこなうことができるのです。
ライオンの目と瞳孔のしくみ
ライオンはネコ科のため、目の構造もネコとの共通点を持っています。
どちらも夜行性のライオンとネコは、目の中、瞳孔の奥の位置に「タペタム」という反射板のような役割をする部位を持っており、この部分が光を反射して何倍にも見えるため、暗闇でも夜目が利くのです。
似た特徴を持つネコとライオンですが、瞳孔の形は両者で大きく違います。
ネコの瞳孔は、縦に長い形をしていますが、ライオンの瞳孔を見てみると円形に近い形をしています。
縦型の瞳孔は円形の瞳孔よりも素早く動かすことができるため、より明暗の差を素早く認識することができます。
本来夜行性の動物であるネコは、このしくみを利用して、暗い場所と明るい場所、それぞれの視界を確保しているのです。
では、同じく本来夜行性の動物であるライオンは、なぜ瞳孔の形が丸いのでしょうか。
それは、ライオンが大型の狩猟動物であることが理由として考えられます。
丸い瞳孔は、獲物との距離をより正確に把握するのに適しています。
昼間も活動し、狩猟活動をおこなうライオンにとっては、丸い瞳孔のほうが生き残るために有利だったのかもしれません。
まとめ
ライオンの目には、狩猟に適したさまざまなしくみが隠されていました。
同じネコ科の動物でも、それぞれの生態によって目の構造に違いがあるのが興味深いですね。