独特な外見から苦手とする方もいるハサミムシは、日本を含む世界各地に生息する昆虫で、ハサミムシという呼称はハサミムシ目(革翅目)に属する種類の総称です。
西洋の伝承や都市伝説では人間の耳に入り込む虫とされるハサミムシですが、不思議なことに害虫と呼ばれたり、益虫と呼んだりしています。
ここでは、ちょっと不思議な昆虫ハサミムシの生態を紹介すると共に、飛ぶことはできるのかについても触れていきます。
ハサミムシの生態・食性やメスの子育て
ハサミムシは夜行性で、日中は岩陰や石の裏側などに身を潜めていることが多いです。
外観上の生態としては、尻部にサソリのようなハサミを持ち、外敵がくるとハサミを持ちあげて威嚇や攻撃をおこないます。
食性は肉食性が強い雑食性の種類が多く、なかには草食性の種類も存在します。
このことが害虫または益虫の見解が分かれる理由でもあり、肉食性が強い種類は農作物に害を与える昆虫を食べるため益虫となり、草食性のハサミムシは穀物や果実に影響を与えるため害虫と呼ばれます。
ハサミムシが持つ生態として挙げられるのが産んだ卵の世話をすることです。
産卵後メスのハサミムシは、卵を外敵から守りカビが発生しないように卵の衛生に気を配ります。
また、孵化後の子虫がある程度成長するまで、メス自身は餌を取らずに巣穴の清掃や子虫のための餌の確保に努めます。
ハサミムシが飛ぶためには後翅が必要
ハサミムシは飛ぶことができます。
より正確には飛ぶことができる種類がいるという表現が適切でしょう。
ハサミムシには翅を持たない種類と翅を持つ種類に分類できます。
当然、翅を持つ種類に飛翔能力があるわけですが、前翅の下に隠れた後翅を持っていなくては飛ぶことはできません。
コブハサミムシやエゾハサミムシなどが飛ぶことのできる種類にあたり、クギヌキハサミムシやオオハサミムシのように前翅だけを有する種類には飛翔能力はありません。
まとめ
ここまで、ハサミムシの生態と飛ぶことができる種類についてみてきました。
ハサミムシの食性により害虫のイメージがついたり、益虫と呼ばれたりしています。
また、ハサミムシの種類によっては飛ぶこともでき、飛ぶためには翅がある種類のなかでも、後翅を持つ種類に限られることをお伝えしました。