奈良や動物園に行くと見られる鹿ですが、自然の多い地域では日常で見ることもできます。
今、この鹿たちによる森林の被害が、大変問題になっていることをご存知でしょうか。
平成28年度の被害面積はおよそ7,000ヘクタールもあるのだそうです。
そのほとんどが鹿による被害と言われています。
鹿に農作物を荒らされる話は想像が付きますが、森林の樹木にも大きな影響をもたらしてしまっているのです。
苗木から樹木に育つには長い年月がかかります。
その樹木を多く枯らしてしまうこの事態は、非常に危機的状況といえるでしょう。
そこで、今回は鹿による森林被害についてご紹介したいと思います。
鹿による樹木の被害とは?
みなさんは鹿が主に何を食べて生活しているかご存知ですか?
鹿は草食動物なので、主に葉っぱや草、木の実などを食糧としています。
特に、やわらかい葉っぱを好むので、新芽をよく食べているそうです。
では冬はどうでしょう。
鹿は冬眠しないので、冬の間も食糧を確保しなければなりません。
冬は樹木に葉っぱも無くなりますし、木の実ももちろんありませんよね。
何を食べているのかというと、樹木の枝や根っこ、そして皮など、葉っぱ以外の箇所から栄養を取るようになるのです。
鹿は群れで行動することが多いので、被害を受ける樹木も多く、皮を食べられてしまった樹木は腐食が進み、枯れてしまう場合も多々見られています。
そのため、樹木や植物が減り続け、土砂崩れを起こしてしまった場所も出てきており、自然環境に影響を及ぼしているのです。
こうなったことには原因があり、特に解決しなければならないのが、鹿の個体数の増加です。
鹿が増えたことにより、餌の場所が手狭になり、広い範囲で樹木の被害が出てくるようになりました。
昔、鹿の天敵であるニホンオオカミが生息していましたが絶滅してしまったことで鹿が増え出し、生態系が崩れてきたとも言われています。
まとめ
鹿による森林被害は、農林業に影響を与えるほど深刻な問題となっています。
特に、木の皮を食べてしまう事で腐って枯れてしまう場合が多く、対策が急がれています。
天敵がいなくなってしまった今、私たちが出来ることは何なのかをもう一度見直さなければなりませんね。