ハサミムシってどのくらいの寿命があるのかご存知でしょうか。
一般的に体の大きな生き物ほど長い寿命をもっているとされています。
愛玩動物の犬種で約10年~15年、百獣の王ライオンは野生では約10年、飼育下においては約20年の寿命ですが、体長1センチメートル~3センチメートルのハサミムシではどのくらいの期間生存しているのでしょう。
ハサミムシの平均寿命は約1年間
自然環境におけるハサミムシの平均的な寿命は約1年間といえるでしょう。
もちろん、これは一般的な寿命期間で、飼育環境が整った場所では土の中で越冬し、翌年の春には活動を再開します。
自然環境下においても同じことで、無事に冬を越せれば春以降の活動が可能です。
しかしながら、自然環境で生息するハサミムシにとって気温の変化だけが寿命に関係する問題ではありません。
自然にはさまざまな生き物が暮らしており、その中にはハサミムシを捕食する天敵、昆虫や爬虫類、鳥類がいます。
クモやハチ、トンボなどの昆虫には、トレードマークのハサミを持ちあげて威嚇や応戦し一定の成果をあげますが、鳥類にはあまり効果がありません。
ハサミムシの活動期である4月~10月はこれら天敵の活動時期にかさなるため、ハサミムシの平均的な1年の寿命をさらに短くする可能性が高まります。
越冬を上手くおこない春から活動を始める個体もいるハサミムシですが、あきらかに翌年を迎えることができず、寿命が約1年間のハサミムシの種類も存在します。
コブハサミムシのメスがこれにあたり、繁殖行動から卵を産み落とした後、孵化するまで外敵から卵を守ったり、カビが発生しないように卵の衛生を保ったりします。
卵の世話をする行動は他の種類のハサミムシもおこない、孵った子虫たちがある程度成長するまでは餌を与えて育てます。
しかしながら、コブハサミムシの場合は他とことなり、孵ったコブハサミムシの子虫たちは餌としてコブハサミムシのメスを食べます。
これはコブハサミムシだけにみられる行動で、他の種類では確認されておりません。
まとめ
ここまで、ハサミムシの寿命についてみてきました。
飼育環境や越冬状況によって変化はあるものの、ハサミムシの平均的な寿命は約1年間です。
また、外敵など捕食により平均的な寿命の長さがより短縮するケースもあります。