小学生の頃、掃除当番で理科室の担当になるのが嫌でした。
なぜかというと、理科室にはおなじみの人体模型が怖かったからです。
物置のような部屋の隅の薄暗がりにひっそりたたずんでいて、内臓が丸見えで気持ちが悪く、自分の体の中にこんなものが入っているのかと、信じられない思いで見ていました。
なかでも、特に腸のあたりはウネウネとしていて、こんなにものがどうおなかに納まっているのかと不思議だったものです。
人間の腸の長さは7~9mあるのだとか。
大人になった今でもやはり不思議な思いがして、自分のおなかを眺めてしまいます。
しかし、そんなことで不思議がっている場合ではありません。
なんと体長の20~30倍以上の長さの腸を、持つ動物がいるというのですから驚きです。
その動物とは、なんと羊。
あの、草原でのんびりと草をたべているモコモコとしている羊なのです。
なんだか想像がつきませんね。
羊の腸の長さはどれくらいあるの?
体長の20~30倍というと、小型の羊であっても、少なくとも25メートルくらいの長さの腸を持っていることになります。
25メートルというとプールの長さと同じ。
それだけでも想像を絶してしまいますが、もっと大きな羊となると、30メートルを優に超えることになります。
どうして羊には、そんなに長い腸が必要なのでしょうか。
もともと腸の長さは、その動物が何を食べるかによって変化します。
肉食動物と草食動物を比べると、羊のような草食動物は長くなる傾向があります。
その理由は、草は肉と比べると養分が少ないからです。
その少ない栄養を取り逃さないように、草食動物は長い腸を使って時間をかけてしっかりと吸収しているのです。
羊の腸が長いことには、ちゃんと理由があるのですね。
まとめ
「羊腸のごとく」という、長いものの例えとして使われる言葉があります。
羊の腸というのは、本当に長いんですね。
調べてみると驚きでしたが、その理由が、草の少ない栄養をしっかりと吸収するためということは、納得の理由でした。
人間の腸だけでも、どう納まっているのか不思議でしたが、羊には本当に驚かされました。
これまでは、羊を見るとあのモコモコとした毛に目を奪われていましたが、もし今度目にすることがあったら、どうしてもその毛よりもおなかに目がいってしまいそうです。