聞きなれない言葉の「馬のトモ」ですが、腰、臀部(でんぷ・お尻の事)、後膝辺りの場所を指します。
競走馬は、この場所が特に大事だと言われます。
体の中では、どのような役割を果たしているのでしょうか。
馬のトモってどこ?
競馬場のパドックで、馬の様子を見る一つの目安として、トモの状態を観察します。
横から見た時、腰からお尻にかけての長さを「トモの長さ(もしくは幅)」と言います。
この長さが足りないと、「トモが薄い」と言ったりします。
トモの薄い馬は馬力が弱く、あまり良い馬と言えません。
生まれ持った骨格によってトモの大きさは決まってきますが、大きすぎたり、小さすぎたりすると、怪我を招く結果となります。
全体のバランスが均等である体が、一番ベストなのです。
筋肉はもちろんしっかりついている方がいいですが、皮膚が薄く、ハリがあり、筋肉の隆起がはっきりしていて肉付きの体が、脚力の強い馬とされています。
足のすねは肉がなかなかつきにくい場所ですが、この場所が発達している馬は、かなり脚力が強いと言っていいでしょう。
競馬のテレビやパドックで、「尾離れがよい」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。
お尻の付け根から尾が離れていると、調子の良い馬と言われます。
しかし、緊張している時や、便意を催しているときなどにも見られる現象なので、この部分だけで判断するのは難しいです。
馬の体をもっと知るためにトモ以外のどこを見たらいい?
お尻の位置が高い馬を「尻高」、お尻が低く前方が上がっていることを「前高」と言います。
お尻の位置が高いという事は、筋肉が発達していることを意味し、瞬発力のある短距離に向いています。
反対に、前側が高い馬は、持久力があり、長距離に向いています。
お尻の位置が高い馬は、前脚が疲れやすく、長距離向きではないのです。
ただ、若い馬ですと、今後の成長過程で筋肉の発達により、体つきも徐々に変わってきます。
お尻の位置だけでどちらが適しているかどうかは、なかなか判断がつきにくいようです。
まとめ
筋肉のつき具合やバランス、トモの状態から見て、良い馬かどうかを判断することはかなり難しいです。
若い馬は、前脚から成長していきますので、後ろ脚のあるトモの部分は発達が遅いです。
しかし、トモの長さで、今後どのように育っていくかはある程度予想することができます。
競馬場で駆け引きをする際、パドックでぜひ参考にしてみてください。