古代から人間は馬と共存してきました。
古墳時代の古墳からは、土器や装飾品に加えて馬具を付けている馬の埴輪や馬具が出土しています。
家畜として軍馬として、人間の生活を助けてきたのですから、お互いに理解しあいながら生きてきたことでしょう。
馬の表情の意味や感情は、どのようにして認識できるのでしょうか。
人間と馬は、どのように意思の疎通を図っているのでしょう。
馬の表情にはどんな意味があるのでしょう。
馬は感情豊かな動物です。
嬉しい時、気持ちいい時、驚いているとき、怖がっている時、怒っている時それぞれ違う表情をします。
嬉しい時は、上唇と鼻にしわを寄せ歯を見せ笑っているようです。
悲しい時は、涙を流して悲しそうな鳴き声を上げます。
気持ちいい時は、耳を後ろに向けうっとりした目をして鼻を伸ばします。
驚いている時は、対象に目を向け鼻を大きく開き鼻を鳴らします。
怖がっている時は、口を固く閉じ左右の耳をバラバラに動かし、視線も定まりません。
怒っている時は、耳を伏せ顔を前に突き出し鋭い目つきで睨みます。
逆に馬も人間の表情を読み取ります。
人間や周りの雰囲気で、感情を読み取ることはできると以前から知られていましたが、サセックス大学が同一人物の怒った顔と笑った顔の写真を見せたところ、怒った顔の写真を見せた時は心拍数が上がり、目線が落ち着かず危険を感じた時にする表情をしたのに対して、笑った顔を見せた時は反応が鈍く意に介していないようだったそうです。
馬のコミュニケーション手段としては、その他ボディーランゲージがあります。
ある馬は、自分の手や口が届かないところに痒みを覚えた時、他の馬の同じところを軽くかみます。
相手の馬はすかさず同じ場所をかみ返しました。
そうして自分の痒い所を掻きたいという要求を満たします。
そのほか、鳴き声によっても感情を表します。
日本では、馬の鳴き声といえばひひーんですが、英語ではいろいろな書き方をします。
neigh,whinny,squeal,nicker,groan,snort,snoreなど、その時状況に応じて使い分けます。
まとめ
馬はこのように表情によったり、ボディーランゲージによったり音声により複雑に意思の伝達を行います。
以前は馬耳東風や馬の耳に念仏など、馬と言えば荒々しくて元気が良い、よく働くだけの賢くない生き物として認識されてきましたが、馬のコミュニケーション能力を深く考察してみると馬は利口な生き物であるといえるでしょう。