食中毒で特大の注射をうった事があります。
原因は旅館でアルバイトをしていた時に、宿泊客に出した刺身の盛り合わせが、宴会後に手付かずで戻って来たとき、もったいない!
と隠れて食べてしまった時です。
食い意地をはった結果、何時間も経過し腐ってしまった魚を食べた訳です。
その後ジンマシンと、吐き気と腹痛でボロボロになりました。
そう考えると、ハイエナは腐肉まで食べ、しかも骨まで食べてしまう動物です。
なぜ食あたりしないのでしょう。
なぜ体中ジンマシンが出たり、腹痛と嘔吐したりしないのでしょう。
不思議でしょうがありません。
いったいハイエナは、どのような体をしているのでしょうか。
ご説明いたします。
ハイエナは骨を消化するの?
ハイエナの消化器官はなんでも消化できるように、胃腸は最強に進化しました。
ただ丈夫なだけではありません。
栄養の吸収率も高く、分解しにくい骨や皮も吸収します。
その上、ハイエナの骨を砕く顎の力はライオン以上です。
顎の力は人間の7倍です。
骨髄を噛み砕いて栄養をとる事ができるのは、ハイエナが生きていく上での強みと言えます。
ハイエナは、巣穴に群れで捕らえた獲物の骨を持ち帰り、周囲に積み上げ、それを獲物が取れなかった時の非常食にしています。
腐肉を食べても大丈夫な理由は、消化器系の長さが関係してきます。
ライオン等の肉食動物は、消化を出来るだけ早くして、腸内を素早く通過させる為に、消化器系はとても短くなっています。
腐敗した肉が、毒素を出す前に消化を済ましてしまう為です。
ちなみに草食動物は、肉食動物の4倍の長さの腸の長さで、長い時間をかけて消化、栄養吸収します。
また、肉食動物は酸性の唾液をもっていて、肉や骨を素早く消化するのに最適です。
特にハイエナは分解しづらい骨や皮も吸収し、フンに消化されなかった未消化物がほとんどまじりません。
その為、ハイエナの糞は真っ白で、土に返りやすい状態となります。
さすがはサバンナの掃除屋です。
ちなみに、アフリカで19万年~25万年前に生きていた人間の髪の毛が、ハイエナのフンの化石から発見されました。
ハイエナのフンには、高濃度のカルシウムが含まれていて、それがフンを化石化させたようです。
ハイエナの消化器系の優秀さのあらわれでしょう。
ただし、ツノとヒズメは消化できないようで、ペレットとして吐き出すようです。
まとめ
腐肉をたべても食あたりせず、骨を食べても消化不良をおこさない最強の消化器官を、ハイエナはもっています。
無駄なく栄養吸収し、未消化物がほとんどない白いフンをします。
他の生き物が食べる事の出来ないものを食べ、完璧に分解して自然にかえす事が出来る事は、自然の生態系にもとても重要な事といえるでしょう。
それを人は卑しい行動として見てしまうのが、可愛そうなところです。