日本で見かける鹿といえば、いわゆるホンシュウジカのイメージが強いですね。
茶色の毛に白い斑点がトレードマークとも言いましょうか。
しかし、年がら年中あの外見というわけではありません。
鹿は夏と冬で毛の生え変わりがある動物なのです。
いつごろ生え変わるのでしょうか?
鹿の毛の生え変わり、いつか知ってる?
茶色の毛に、白い斑点。
あれはいわゆる「鹿の子模様」と呼ばれていますが、実は夏毛特有の模様です。
一般的なイメージの鹿の外見は夏毛の時のものなのです。
鹿の子模様は夏毛の間であればオス・メス、大人・こども関係なく見られる模様です。
白い斑点は鹿ごとに異なっており、同じ模様の鹿はいないのだとか。
オリジナルの模様なんですね。
鹿の子模様が特徴的な夏毛ですが、4~5月の春の時期にかけて生え変わります。
夏毛が冬毛に変わるのは10~11月頃。
2回目の生え変わりです。
冬毛になりますと、トレードマークとも言える鹿の子模様がなくなっています。
毛の色も夏に比べると暗い焦げ茶色になっています。
寒い冬を乗り越えるために生え変わるという事情もありますが、鹿の子模様の有無も含めて何故外見に違いがでてくるのでしょうか?
その答えは、鹿が何に「擬態」するかに関わってきます。
そもそも鹿の夏毛に鹿の子模様があるのは決して個性を出すためではなく、夏の木漏れ日に擬態するためだと言われています。
森の中で木々の隙間から地面に降り注ぐ日光を浴びているかのように擬態し、外敵から身を守る。
そのために鹿の子模様が夏毛だけにあると言われています。
逆に冬は木漏れ日がさしませんから鹿の子模様は不要になり、代わりに枯れ木や落ち葉の色に擬態するため濃い茶色の毛色に生え変わるのだそうです。
大学図書館の前に鹿が数頭来ていました。斑点模様は消えてもこもこの冬毛の季節です。#コトノハ #奈良https://t.co/WtrtePh8TM
— コトノハ (@kotonoha_nara) 2014年12月20日
まとめ
日本の鹿といえばよく見る鹿の子模様に、カモフラージュの意味があったんですね。
鹿をはじめ昆虫や魚にも外敵から身を守るため、保護色を駆使する生き物がたくさんいます。
自然界で生き残るために、様々な工夫をこらしているのがわかりますね。
それにしても木漏れ日のあたる様子を保護色にしてしまうと発想には感心するしかありません。