奈良公園を見ていると、想像以上の数の鹿にびっくりしてしまいます。
鹿は繁殖力の強い動物で、近年はその増加数が速いペースで更新されているといいます。
鹿は胎生ですから一度にたくさんの子供を産めるわけではないのに何故?
今回は鹿の出産事情について調べてみました。
鹿が出産する時期は?繁殖期からご紹介
鹿はほ乳類であるため胎生です。
繁殖期は9~10月の秋頃であり、活動も活発になる時期であると言われています。
鹿は群れで行動する動物です。
一頭のオスに対して多くのメスが囲む一夫多妻制を採用しています。
群れのなかにも複数オスはいますが、繁殖行為に及ぶのは最上位のオス一頭だけです。
ちなみに、群れは固定されたグループではありません。
オスは生後1~2年で生まれた群れを離れ、別の群れを形成します。
森林など狭い場所では小規模に、草原など開けた場所では大規模な群れを構成するため、非常に流動的なグループです。
鹿の妊娠期間はおおよそ7~8か月ですので、出産は5~7月です。
胎生であるため、一頭のメスから産まれる子鹿は一頭となります。
産気づくと鹿は藪などの身を隠せる場所に移動をします。
グループから離れ、たった一頭で出産するんですね。
生まれたての小鹿はまず自力で立ち上がることができなければ生きていけないため、母親はけっして手出しをしません。
この光景はテレビなどで見た方もいるかと思います。
四足で立てるようになった小鹿は、母親を探してお互いに鳴き声を交わし、母乳を吸って成長していくのです。
鹿の繁殖力の強さは毎年コンスタントに出産を行えることに起因しており、天敵もいないためにその数を着実に増やしていきます。
卵生の生き物と異なり一度に多くの子鹿を生むことはできませんが、天敵がいないという最大のメリットがあるので繁殖に関しては何の心配もありません。
まとめ
草食動物である鹿は複数の群れを構成して活動しています。
繁殖期もそれは同様で、群れのなかでオスに序列がつけられてしまうのです。
選ばれるのが最上位のオスだけと考えると、他のオスはいたたまれない気持ちになりますね。
ちなみにグループ外からメスが奪われることのないように、繁殖期になるとオスはメスジカを外敵から守ってあげるそうですよ。