奈良公園の風物詩とも言われる「鹿の角切り」。
皆さん、実際に見たことはあるでしょうか。
毎年春日大社で行われる角切りにはどんな理由があるのか?
角切りを行う際、鹿に痛みはないのか?
意外と知らない角切りについて今回は見ていきましょう。
鹿の角は切るもの!その理由は
鹿の角切りは江戸時代に由来し、そこからなんと300年以上も続く伝統行事となっています。
毎年奈良の春日大社で開催されています。
10月の三連休に行われる角切りは例年大盛況ですよね。
とりわけ太くて立派な角を持つ鹿が横に倒され、神官たちによって角を豪快に切り落としていく光景は圧巻です。
しかし、そもそも何故角切りという行事が行われるようになったのか?
その理由はいくつか挙げられていますが、一番大きな要素は安全対策です。
奈良公園に生息する鹿は野生ですから、本来誰のものでもありません。
しかし、場所の都合で人間と触れ合うことも多く、それゆえに角が鋭いと人を傷つけてしまう恐れがあります。
また、秋になると鹿は繁殖期に入りますので、オスの鹿同士で争い傷つけてしまう可能性も否定できません。
ですので年に一回、鹿の角を切るようになったのです。
鹿の角を切ると痛い?痛くない?
鹿を抑えこんで力技で角を切っていく光景は圧倒的であると同時に「あんなことをして鹿は痛くないのか?」という疑問も浮かんできます。
鹿の角は一年周期で生え変わるようになっており、角には太い神経は通っていません。
だから鹿が激しく痛がったりすることはないんです。
角を切られた直後の鹿は特段痛がる様子も見せず、そのまますぐに元の生活に戻ることができます。
ちなみに、角切りで切り落とされた角は神聖なものであるとして、そのまま奉納されるそうです。
まとめ
江戸時代から続く鹿の角切りは、鹿が人間や他のオスを傷つけないようにという配慮からだったんですね。
300年以上前の人々も同じように考えたのでしょうか。
今年も10月の三連休に鹿の角切りが行われる予定です。
今回はそういった事情も踏まえて行くと、見方が変わってくるかもしれません。