アルパカの毛を用いた服飾品は、柔らかい手触りと高い保温性によって、高い人気を誇っています。
しかしウール製品を着た時の経験から「ちくちくするから苦手」と思う方もいらっしゃるかと思います。
セーターやカーディガンがちくちくすることってありますよね。
羊由来のアレルギーがあるため、どうしてもウールを着ることができないという方はいらっしゃいます。
それでは、アルパカの毛糸にもアレルギーがあるのでしょうか?
まとめてみました。
アルパカの毛糸にアレルギーはあるの?
残念ながら、アルパカアレルギーをお持ちの方はいらっしゃるようです。
ただしアルパカアレルギーの原因は、羊毛のアレルギーとは異なります。
羊毛のアレルギーは、厳密にはラノリンアレルギーと呼ばれています。
ラノリンというのは動物由来の脂質であり、羊毛はこのラノリンを含んでいます。
ラノリンアレルギーは、パッチテストで判明する比較的メジャーなアレルギーです。
このアレルギーをお持ちの方はウール製品を着用することが難しくなってしまいます。
一方、アルパカの毛そのものは、このラノリンを含んでいないと言われています。
しかし実は、アルパカの毛にも、動物由来の脂質が全く含まれていない訳ではありません。
羊毛ほどの脂質はないにしろ、含有する適度な脂質によってアルパカの毛は防水性を備えています。
ラノリンと同じく、天然由来の成分でもアレルギーを起こす方がいらっしゃることを考慮すると、アルパカアレルギーが存在しないとは言い切れません。
更に、アルパカの毛にラノリンが含まれていなかったとしても、製品の製造過程でラノリンが混入する可能性はゼロではありません。
ラノリンは化粧品や日用品、皮革処理にも利用される成分であり、毛織物の処理にもラノリン含有物質が使用される可能性があります。
こうしてアルパカの毛そのものとは関係なく、ラノリンアレルギーが起こることがあり得るのです。
アルパカの毛糸はちくちくしにくい!その理由とは?
アルパカアレルギーが存在するならば、アルパカ製品は肌に優しくないのでしょうか?
実はアルパカの毛の構造そのものは、非常に肌に優しく、ちくちくしにくいものになっています。
ウール製品を身に着けたときに肌トラブルが発生する原因は2つあります。
1つはアレルギーに起因するもの。
もう1つは、繊維の表皮の性質に起因するものです。
羊毛繊維の表皮は、うろこ状になっています。
このうろこによって、ウールは引っ掛かりやすい形質を持っています。
肌がちくちくするのは、アレルギーのせいではなく、単なる肌触りが原因の可能性があるのです。
それに対して、アルパカの毛は表皮が滑らかで引っ掛かりが少なく、毛羽立ちにくいという特徴があります。
また、アルパカの毛は柔らかい手触りをしていて、先端は丸く滑らかになっています。
これらの性質により、完成したアルパカ製品は手触りの良い、ちくちくしにくい製品となっています。
特にベビーアルパカと呼ばれる生後間もないアルパカの毛糸でできた製品は、より柔らかく滑らかになっています。
まとめ
今回はアルパカアレルギーと毛糸の性質についてまとめました。
アルパカの毛糸は滑らかな肌触りで、ちくちくしにくいのが特徴です。
とはいえ、万が一アレルギーが判明した場合は、くれぐれも無理をしないように気を付けてください。