堂々とした立ち姿、立派なたてがみ。
百獣の王として知られ、ハンターとしても名高いライオンですが、実はライオンのオスは狩りをしないのをご存知ですか?
ライオンの群れのうち、狩りをするのは主に大人のメスライオンだけで、オスライオンは群れで帰りを待っていることがほとんどなのです。
どうして、オスのライオンは狩りに参加しないのでしょう?
それには、ライオンの群れ独特のシステムが関係しているのです。
今回は、ライオンがメスだけで狩りをおこなうわけを、ライオンの生態とともにご説明します。
ライオンがメスだけで狩りをするわけ
ライオンの群れは、1頭から2頭ほどのオスと、10頭前後のメスで構成されている場合が多いのですが、この群れの中ではオスとメスの役割がそれぞれ分かれています。
メスライオンの役割は、子どもを産み育てることと、群れの食料を確保するために狩りをすることです。
狩りはだいたい夜におこなわれ、複数のメスが協力して獲物を追い込みます。
捕獲した獲物はまずオスが食べ、その後メス、さらに子どもへと分け与えられます。
これだけ見ると、オスはなんて楽なんだ、と思われるかもしれません。
しかし、オスにはメスに勝るとも劣らない大事な役割があります。
オスは、外敵から群れを守るという役割を負っているのです。
群れは常に敵から襲われる危険にさらされています。
ハイエナなど他の肉食動物はもちろんですが、一番の天敵ともいえるのが、よそからやってくる別のライオンの群れです。
お互いのなわばりが重なってしまうと、相手を排除するためにそれぞれの群れのオスライオン同士が激しい争いを繰り広げます。
また、群れを乗っ取ろうとするオスライオンが、戦いを挑んでくることもあります。
戦いに負けてしまうと群れを乗っ取られるばかりか、群れから追い出され、自分の血縁のライオンを根絶やしにされてしまうので、オスライオンたちは必死になって群れを守ろうとします。
これらの外敵は、群れの警戒が手薄なところを狙ってやってきます。
そのため、オスライオンは狩りに参加せずその場にとどまり、群れを守っているのです。
まとめ
メスライオンだけが狩りをおこなうのは、群れの中で役割分担のしくみが確立しており、それぞれの役割を果たしているためでした。
一見楽そうに見えるオスも、過酷な役割を背負って群れにとどまっているのですね。