「グルルルグルルル」という鳴き声をだしあい、仲間とコミュニケーションをとるムササビ。
日が落ちた森林のなかで、木々のあいだを滑空する姿は見事で、巣箱から顔をだしているムササビの表情はなんとも可愛らしいものです。
このムササビの平均寿命はどのくらいなのでしょうか。
ここでは、ムササビの寿命についてご紹介します。
ムササビの平均寿命は10年未満?
日本にいるムササビは、ホオジロムササビという種類で、本州と四国、九州に生息しています。
ホオジロムササビはそれぞれの生息地で、ニッコウムササビやワカヤマムササビ、キュウシュウムササビとも呼ばれており、寿命は約10年といわれています。
約10年の寿命というのは一般的な期間であって、平均寿命はもっと短いといえるでしょう。
ムササビの平均寿命は、約6~8年です。
これは、成長過程における事故や病気が原因として挙げられます。
また、ムササビを捕食する外敵の存在も忘れてはいけません。
ムササビは、樹上生活者ですから巣は木の幹の空洞に作ります。
そのため、地上にいる捕食者に襲われることはありませんが、木登りが上手なテンや大型のヘビ、猛禽類のフクロウなどに捕食されるケースがあります。
このように事故や病気、外敵による捕食が原因でムササビの平均寿命は、先ほど挙げた約6~8年になるわけです。
ここからは、日本以外に生息するムササビの寿命にも目を向けてみましょう。
ブータンやネパール、インド北東部のシッキム州、チベット自治区などに生息するホジソンムササビの寿命は約7~8年です。
ホジソンムササビも日本に生息するホオジロムササビと同じく、樹上生活者で夜行性、植物を好む食性も似ています。
外敵も同様に、肉食獣や猛禽類などが捕食者として挙げることができるため、自然環境におけるムササビの平均寿命は10年未満、約6~8年が一般的な数値といえるでしょう。
動物園や研究機関など設備の整った飼育環境では、14~15年の寿命が確認されたムササビですが、野生での平均寿命が10年未満という数値は、それだけ自然の厳しさを伺うことができます。
まとめ
ここまで、ムササビの平均寿命について紹介しました。
飼育下では10年以上の寿命をみせるムササビも、厳しい自然環境のなかの平均的な寿命は10年未満の6~8年という期間でした。
これは、日本に暮らすムササビだけではなく、外国を生息地とするムササビにも同様のことがいえます。