たぬきは昔話に出てきたり、歌があったり、焼き物でも有名です。
ことわざなどでは、良い意味で使われることはほとんどありません。
しかしこの焼き物では「縁起が良い」として人気が高いのです。
その理由やルーツを調べてみましょう。
たぬきが縁起物とされる由来!
「他抜き」と書いて、「たぬき」という語呂合わせからきています。
人より抜きん出る、という願いから商売繁盛や出世、金運アップ、招福などのご利益がある縁起物とされています。
また、開運の意味も込められています。
そのため、開店や開業祝い、新築や引っ越しなどの招福としてプレゼントすることが多くあります。
店先や信楽町近くへ行くとたくさん見かけますが、商売だけではなく一般的にも使うことは出来ます。
他抜き、ということを考え、試験やスポーツなどの願掛けにも良いでしょう。
信楽焼のたぬきの意味は?
信楽焼のたぬきのルーツは、明治時代の陶芸家である藤原銕造(てつぞう)が初めて作成したと言われています。
昭和26年に昭和天皇の信楽町行幸の際に、道路わきに信楽焼のたぬきをたくさん並べ、その手には日の丸の旗を持たせて設置し迎えました。
その光景に感動し、歌を詠まれ、この話が新聞に載り一躍有名になり全国的に知られるようになりました。
その証拠に、信楽町にある新宮神社の鳥居横には昭和天皇が詠んだ歌碑があります。
「幼きとき 集めしからに 懐かしも しがらき焼の 狸をみれば」
信楽焼のタヌキには8か所の特徴があり、それを「八相縁起(はっそうえんぎ)」と言います。
- 笠 災難や悪事に備えて身を守る
- 目 大きな目で周囲に気を配り、正しい判断が出来るように
- 口 常に笑顔を保つことで商売繁盛や円滑にいく
- 徳利 飲食に困ることなく、人徳が身につく
- お腹 冷静に大胆な決断と行動を
- 通帳(帳簿) 世渡り上手は信用第一
- 尻尾 太い尻尾には良い末広がりの意味があり、しっかりと事を終えるように
- 金袋 金銭は大事に運用を
ただの置物ではなく、ちゃんと意味を持って作られていたのです。
まとめ
意外にも、世間に広めたのは昭和天皇でした。
影響力は強く偉大であることが良くわかり、今もなお語り継がれその姿も保っています。
良い意味を持つものなので、見かけたら嬉しくなります。